ソウルでエレビティ(1064nmレーザー)を考える方へ:肌のハリに何が期待でき、根拠はどこまであるのか
エレビティは、1064nmの光をマイクロ秒単位のパルスで素早く繰り返し照射するNd:YAGレーザーです。表皮を削らずに真皮を温め、コラーゲンの再生を促す非剥離(ノンアブレイティブ)型です。機器そのものの研究は目の下の小じわとクマを調べた小規模な研究1件のみで、同系統のレーザーの研究でも肌のキメやハリの変化は穏やかで少しずつ現れる程度でした。ダウンタイムを抑えたい小じわ・肌のキメ・軽いハリの低下には検討できますが、たるんだ顔を引き上げる方法ではありません。ソウルでの施術をご検討中の方は、まず肌のお写真を送って、お悩みに合うか、別の方法がよいかを確認できます。

エレビティはどんな機器ですか?
エレビティを扱った査読付き論文(ほかの専門家のチェックを経て学術誌に載った研究)は、この機器を波長1064nm、パルス幅650マイクロ秒(µs)、1秒間に40回照射するNd:YAGレーザーとして記載しています。1 1マイクロ秒は100万分の1秒で、パルスとは光を区切って出す1回1回のことです。
1064nmはNd:YAGレーザーの基本の波長です。肌の色をつくるメラニンに比較的吸収されにくいため、さまざまな肌タイプに使われてきました。2 同じ1064nmでもパルスの長さやエネルギーによって使い方は大きく変わるため、研究結果を見るときはどんな設定だったかを確認する必要があります。
非剥離レーザーとは?
このレーザーは、表皮(肌のいちばん外側の層)を削らない非剥離(ノンアブレイティブ)型です。非剥離レーザーは表面を残したまま、その下の真皮(肌の本体)を温めて、しわや光老化(日光による肌の老化)の改善をめざす方法です。
レーザーを三つに分けて考えるとわかりやすくなります。表面を削る剥離レーザー、肌に微細な柱状の損傷をつくるフラクショナルレーザー、そして表面をそのまま残す非剥離レーザーです。非剥離レーザーはほかの二つより変化は小さいものの、ダウンタイムやリスクも低い側に入ります。5
レーザーを三つに分けると
超音波リフトとは何が違いますか?
ウルセラなどの超音波リフトとは仕組みが異なります。超音波リフトは音を皮膚の下の決まった深さに集め、真皮とSMAS(顔の皮膚の下で筋肉をおおう薄い膜の層で、フェイスリフト手術で引き上げる層)に焦点を結ぶ技術です。6 エレビティは光を使うレーザーです。エレビティがSMASの深さまで熱を届けることを示した研究は見つかりませんでした。
肌の中では何が起きているのですか?
1064nmの光は表面のメラニンにあまり捕らえられず、真皮まで入って熱に変わります。2 真皮が温まると、コラーゲン(肌を支えるたんぱく質の線維)がつくり直される過程が始まると説明されています。
エレビティと同じマイクロ秒の1064nm Nd:YAGレーザー(300µs)で3回施術した9人の皮膚を電子顕微鏡で調べた研究では、1か月後と3か月後に乳頭真皮(真皮の上の部分)のコラーゲン線維が細くなっていました。新しいコラーゲンができたことと一致する変化で、若い人ほど変化が大きくなっていました。3 同じ研究で、もともと顔の赤みがあった人は赤みが軽くなっていました。3
1064nmの光が熱になる場所
研究でわかっていること、まだわからないことは?
エレビティそのものの研究
エレビティそのものを扱った研究は、いまのところ1件です。目の下の小じわとくまがある16人に1週間おきに5回施術し、肌分析機で測りました。しわのスコアは4.15から最終施術時に3.32へ下がり、1か月後は3.71でした。よくなった後、1か月で一部戻ったことになります。くまのスコアも改善しましたが、1か月後には一部戻っていました。1
16人のうち6人は大きく改善したと答え、6人は変化なし、または少し改善と答えました。1 1時間以内に引く赤みのほか、ほかの有害事象は観察されませんでした。1
エレビティの研究:目の下・16人
ただしこの研究には対照群(施術を受けない人との比較)がなく、1施設の少人数で行われ、機器の製造元から研究費を受けていました。コラーゲンの変化を組織で確かめておらず、長期の追跡もないことを著者自身が限界として挙げています。1 ハリやたるみを直接測った研究ではない点も押さえておく必要があります。
ハリとたるみは同系統の研究から推し量ります
ロングパルスの1064nm Nd:YAGレーザーを7回以上受けた34人の研究では、医師の評価でたるみが17.3%、深いしわが11.9%減りました。著者は改善を「わずかで、少しずつ」と表現しています。2
12人の顔の半分ずつにロングパルス1064nmレーザーと高周波を1回ずつ行って比べた研究では、レーザー側のたるみ改善スコアが高くなりました。ただし著者は、より大規模な対照研究が必要だと結論しています。4 これらの研究はパルスの長さやエネルギーの設定がエレビティと同じではないため、結果をそのまま当てはめることはできません。
どんな悩みに合い、いつ別の方法を考えますか?
まとめると、エレビティのような非剥離の1064nmレーザーは、回復の負担が少ない代わりに変化が穏やかで、数回かけて積み重なる方法です。25 小じわや肌のきめ、軽いハリの低下が悩みで、日常生活への影響を抑えたいときに検討できます。
反対に、目に見えてたるんだ顔を引き上げる、深いしわやへこんだ傷跡を大きく変える、失われたボリュームを補うといった目的には、別の方法が合うことが多くなります。
悩みによって先に考える方法
1小じわ・ざらつきなら
数回かけて穏やかな変化を期待します。傷跡があればフラクショナルレーザーも考えます
エレビティ
2顔の赤みやきめの乱れなら
同系統で赤みの軽減が報告されています。まず赤みの原因を確かめます
原因の確認が先
3フェイスラインやあご下がたるんだなら
このレーザーでは変化が小さいことがあり、超音波リフトも併せて考えます
ウルセラ(HIFU)
4頬や額のこけ、深いたるみなら
レーザーではボリュームを補えないため、脂肪注入やフェイスリフトを相談します
脂肪注入・フェイスリフト
肌の色が濃いめの方へ。1064nmはメラニンに吸収されにくい波長で、さまざまな肌の色に使われてきました。2 ただし設定によっては色素の変化が起こりうるため、肌タイプに合わせて強さを決めます。
悩みに合わせて選ぶ方法
| 方法 | 作用する場所 | 主な悩み |
|---|---|---|
| エレビティ(1064nmレーザー) | 表皮を通り真皮を温める | 小じわ・肌のきめ・軽いハリ |
| 超音波リフト(HIFU) | 真皮〜SMASに焦点 | 眉・あご下の軽いたるみ |
| フラクショナルレーザー | 微細な柱状の熱損傷 | 傷跡・肌のきめ・しわ |
| 脂肪注入・フェイスリフトなど | ボリュームと深い層を直接扱う | ボリューム減少・深いたるみ |
施術の流れ・回復・注意点は?
ボニータクリニックでは、エレビティを麻酔クリームを使った切らない施術として行います。日帰りで、抜糸はありません。施術直後から洗顔とメイクができ、軽い赤みは数時間で落ち着くとご案内しています。機器の研究でも、赤みは1時間以内に引いていました。1 ただし機器と強さによって、赤み・むくみ・皮むけが数日続いたり、まれに色素の変化が起きたりすることがあります。
同系統のレーザーの研究では重い副作用は報告されていませんが、どれも参加者は数十人以下でした。123 熱を使う施術なので、設定や肌の状態によって反応が変わることがあります。そのため、最近受けた施術や肌の病気を先に伝えていただく必要があります。
施術後のケアは次のとおりです。
- 外出時は日焼け止めを塗る
- 1週間は刺激の強い化粧品やスクラブを避ける
- サウナなどの高温の環境も1週間控える
- 赤みやむくみがあれば、鎮静・消炎のケア用品を使う
回復期間と通院の予定は、施術範囲と個人の状態によって異なります。
何回受けますか?
ボニータクリニックは必要に応じて1〜3回に分けて行います。研究では、機器の研究が1週間おきに5回、同系統の研究が7回以上施術していました。12 何回が適切かを比べた研究はないため、肌の反応を見ながら決めるのが現実的です。
ボニータクリニックの考え方
ソウルで相談できる肌とリフトの選択肢
ボニータクリニックは1995年の開院以来同じ場所で診療しており、ブラジルの形成外科専門医であるチョン・グァンソプ代表院長が自ら診察します。肌の質とハリについての相談では、当院で実際に使っている機器と施術から検討します。
- 小じわ・肌のきめ・軽いハリの低下に、ここで紹介した1064nmレーザーのエレビティ
- 眉・フェイスライン・あご下の軽いたるみが中心なら、ウルセラ(集束超音波)
- ハリ・色素・赤み・きめのどれを優先するかに応じて、当院のほかのレーザーや高周波の機器
- 脂肪やボリュームの減少、深いたるみが原因に含まれるなら、マルチリフティングやフェイスリフト手術の相談
どの機器を、どう組み合わせるかは、肌を診てから決めます。
方法と費用が人によって変わるのはなぜですか?
同じ「ハリのためのエレビティ」でも、人によって計画は変わります。回数、施術する範囲、ほかの機器を組み合わせるかどうかで内容が変わります。
- 範囲:顔全体・目の下・首
- 回数:1〜3回
- 肌タイプに合わせた設定
- ほかの機器を組み合わせるか
- 時期に影響する最近の施術
- 目標:ハリ・きめ・赤み
対面診察の後に最終的な計画と見積もり
最終的な見積もりは、対面で肌を診て、回数とほかの施術との組み合わせがはっきりした後にご案内します。
写真でわかること、対面診察が必要なことは?
写真は、悩みの中心がきめや小じわか、赤みか、色素か、たるみかを見分けるのに役立ち、エレビティを検討する価値があるかを考える最初の一歩になります。ただし、機器の設定までは決められません。
写真でわかること
- 小じわと目に見えるきめ
- 赤みとその広がり
- 目立つしみ・色むら
- たるみか、こけかの大まかな区別
対面診察が必要なこと
- 肌タイプと敏感さ
- 活動中のにきびや炎症
- 触ってわかるゆるみの程度
- 適切な光で見る色素の種類
- 最近の施術と使っている化粧品
役立つ写真は、正面と左右から、自然光か均一な室内の明かりで、化粧やフィルターなしで撮ったもの、そして気になる部位の近接写真です。写真と、最近受けたレーザー・リフト・フィラーの一覧を添えてメッセージでお送りください。
来院と施術後の計画
事前に確定しているのは、上の施術案内(麻酔クリームでの切らない施術、日帰り、抜糸なし、当院の案内では直後から洗顔・メイク可)までです。1回にするか数回に分けるか、間隔をどのくらいあけるかは、施術後2〜4週間で変化を見るため、相談の際に一緒に決めます。
旅行の計画では、施術後は日焼け止めが必要なこと、サウナや高温の環境、刺激の強い化粧品は1週間避けることを考えに入れておいてください。変化は少しずつ現れるため、結果は帰国後に判断することが多くなります。同じ角度・同じような明るさで日付入りの写真を撮っておくと比べやすくなります。帰国後に赤みやむくみ、色の濃い部分が続く場合は、当院にご連絡いただくか、お近くの医療機関を受診してください。
よくある質問
ウルセラとは何が違いますか?
ウルセラは超音波を皮膚の下の決まった深さに集めて、真皮とSMASに熱凝固点(熱で固まる小さな点)をつくる機器です。6 エレビティは1064nmの光で真皮を温めるレーザーです。1 ウルセラは眉やあご下などの軽いたるみ、エレビティのような非剥離レーザーは小じわやきめなど肌そのものの質を扱う方向に近く、両方を一緒に計画することもあります。
1回でハリは出ますか?
1回ではっきりした変化を期待するのは難しいでしょう。同系統のレーザーでは改善が数回かけて少しずつ現れ、2 機器の研究も5回施術した結果です。1 ボニータクリニックでは施術後2〜4週間変化を見て、必要なら1〜3回に分けて行います。
たるんだフェイスラインや深いしわもよくなりますか?
非剥離レーザーは変化が小さくリスクも低いグループに入ります。5 同系統の研究でも、たるみと深いしわの改善はわずかでした。2 フェイスラインのたるみにはウルセラ、ボリュームの減少や深いたるみにはマルチリフティングやフェイスリフト手術を併せて検討するのが適しています。
痛みやダウンタイムはありますか?
ボニータクリニックでは麻酔クリームを使ってから施術し、直後から洗顔とメイクができるとご案内しています。機器の研究では麻酔なしで施術し、赤みは1時間以内に引いていました。1 ただ、肌の状態と強さによっては赤みや皮むけが数日続くことがあります。
肌の色が濃くても受けられますか?
1064nmはメラニンに比較的吸収されにくい波長で、同系統の研究では肌タイプI〜Vのさまざまな肌の色に使われていました。2 肌タイプとは日光での焼けやすさで肌を分けたもので、数字が大きいほど肌の色が濃くなります。それでもまれに色素の変化が起きることがあるため、肌タイプに合わせて設定し、施術後の日焼け止めを必ず守っていただきます。
相談前に準備しておくとよいこと
- いちばんの悩み:ハリ、小じわ、きめ、赤み、色素のどれを優先したいか
- 最近6か月以内に受けたレーザー・リフト・フィラーと日付
- レチノイドなどの塗り薬や、日光に敏感になる薬を使っているか
- 以前の施術の後に赤みや色素が長く残ったことがあるか
- 結婚式や出張など、時期を合わせたい予定
ボニータクリニックは、ソウル市瑞草区江南大路565の3階、地下鉄7号線論峴(ノニョン)駅8番出口から徒歩約100mの場所にあります。詳しくはエレビティのページをご覧ください。超音波で深い層を引き締める方法はウルセラとウルセラのガイド、肌の表面をフラクショナル方式で扱いきめ・小じわ・毛穴を見るレーザーはウルトラクリアにまとめています。
参考資料 (6)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Yang YS, Ha JH, Song BH, et al. Nonsurgical lower eyelid rejuvenation using a novel 1064-nm Nd:YAG laser with a 650-microsecond pulse duration. Lasers Med Sci. 2025;40(1):432.doi:10.1007/s10103-025-04682-7機器そのものの唯一の研究(全文):エレビティ(Innomed)を1064nm Nd:YAG・650µs・40Hzのレーザーとして記載。目の下の小じわとくまのある16人に週1回5回、分析機のしわスコアは4.15から最終施術時3.32、1か月後3.71。くまのスコアも改善。6人は満足度0〜1。1時間以内に消える赤みのほかに有害事象なし。対照群なし・単施設・製造元の研究費・組織検査と長期追跡なし
- Dayan SH, Vartanian AJ, Menaker G, Mobley SR, Dayan AN. Nonablative laser resurfacing using the long-pulse (1064-nm) Nd:YAG laser. Arch Facial Plast Surg. 2003;5(4):310-315.doi:10.1001/archfaci.5.4.310同系統のレーザー研究(ロングパルス1064nm Nd:YAG、抄録):7回以上受けた34人で医師評価のたるみ17.3%・深いしわ11.9%減少、改善は「わずかで徐々に」。メラニンに吸収されにくく、肌タイプI〜Vに使用。有害事象なし
- Schmults CD, Phelps R, Goldberg DJ. Nonablative facial remodeling: erythema reduction and histologic evidence of new collagen formation using a 300-microsecond 1064-nm Nd:YAG laser. Arch Dermatol. 2004;140(11):1373-1376.doi:10.1001/archderm.140.11.1373同系統のレーザー研究(300µs 1064nm Nd:YAG、抄録):3回の施術後、9人の電子顕微鏡所見で乳頭真皮のコラーゲン線維が細くなり新しいコラーゲン形成と一致、若いほど変化が大きい。赤みが改善。有害事象なし
- Key DJ. Single-treatment skin tightening by radiofrequency and long-pulsed, 1064-nm Nd: YAG laser compared. Lasers Surg Med. 2007;39(2):169-175.doi:10.1002/lsm.2041412人の顔半分比較研究(抄録):ロングパルス1064nmレーザー1回と高周波1回のたるみ改善スコア比較(全体47.5%対29.8%)。より大規模な対照研究が必要と結論
- Alexiades-Armenakas MR, Dover JS, Arndt KA. The spectrum of laser skin resurfacing: nonablative, fractional, and ablative laser resurfacing. J Am Acad Dermatol. 2008;58(5):719-737.doi:10.1016/j.jaad.2008.01.003レビュー(抄録):非剥離レーザーは表皮を残して真皮を温め、フラクショナルや剥離レーザーより変化は小さいがリスクも低い
- Fabi SG. Noninvasive skin tightening: focus on new ultrasound techniques. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:47-52.doi:10.2147/CCID.S69118比較用(レビュー、全文):超音波リフト(HIFU)は真皮とSMASを含む皮下組織に焦点を結ぶ別の技術
この記事について
この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


