ソウルでスコルピオ(ピコレーザー):肌を削らずにキメ・毛穴・くすみは変わる?
スコルピオは、1064nmと532nmの二つの波長を出すピコ秒レーザーです。光を細かく分けるレンズを使い、皮膚表面は削らずに真皮の中にとても小さな空洞(LIOB)をつくって、その回復反応を利用します。同系統の機器の研究では、肌のキメ・毛穴・浅いニキビ跡が複数回の治療で少しずつ改善し、色素には532nmが有利かもしれないという予備的な結果があり、赤みはたいてい1〜3日で落ち着きました。ただしスコルピオそのものを対象にした研究は見つからず、小じわやたるみの変化は小さいと報告されているため、回を重ねて積み上がる変化として考えるのが現実的です。ご自身のお悩みに合うか知りたい方は、ソウルへのご来院を計画する前にお写真を送ってご相談ください。

スコルピオとはどんなレーザーですか?
スコルピオ(Sculpio)は、二つの波長を使う肌のレーザーです。当院のページに載っている機器は、韓国のLASEROPTEK社の製品です。メーカーの製品情報によると、1064nmと532nmの二つの波長を出すピコ秒Nd:YAGレーザーで、光を細かく分ける回折レンズのハンドピースを使います。ボニータクリニックでは、肌の再生、トーン、小じわ・毛穴、肌理をあわせて扱う目的で使っています。
「ピコ秒」と「回折レンズ」とは?
ピコ秒とは、1兆分の1秒という非常に短いパルス(光を区切って出す1回1回)のことです。パルスが短いと周囲に残る熱は少ない一方、瞬間的な圧力の変化が大きくなります。そのため、もともとはタトゥーや色素を細かく砕くために使われていました。2
その後、レンズで光を分けて照射する方法が登場し、肌の再生や傷跡の治療へと用途が広がりました。ピコレーザーの研究をまとめたシステマティックレビュー(多くの研究を決まった方法で集めて見直した研究)は、根拠の強さを次のように整理しています。肌の再生はエビデンスレベルII、傷跡はII〜III、肝斑はII、タトゥー除去はIです。1 レベルの数字が小さいほど、より信頼できる研究デザインからの根拠という意味です。
最初にはっきりさせておきたいこと
「スコルピオ」という機器名で発表された査読付き研究(ほかの専門家のチェックを経て学術誌に載った研究)は見つかりませんでした。この記事で引用する研究は、同じメーカーの以前のピコレーザーのように回折レンズを使うピコ秒Nd:YAGレーザーや、同じ技術系統の機器で行われたものです。機器ごとにレンズや出力が異なるため、結果をそのままスコルピオに当てはめることはできません。
肌を削らずに、どうやって真皮に反応をつくるのですか?
回折レンズは、レーザー光を数十本の細い光に分けます。虫めがねで日光を一点に集めるように、分かれた光の一本一本にエネルギーが集まると、皮膚の中に一瞬だけ微小な空洞ができます。これをLIOB(レーザー誘起光学破壊)と呼びます。
組織検査では、LIOBは角層(肌のいちばん外側の層)や表皮と真皮の境目を傷つけずに、真皮の中にできる微小な空洞として観察されています。2 皮膚表面に穴を開ける蒸散型レーザーとの最も大きな違いです。
この小さな損傷が回復反応を呼び、コラーゲン(肌を支えるたんぱく質の線維)や弾性線維が増えると説明されています。動物の皮膚の実験では照射後1週から4週にかけて新しいコラーゲンと弾性線維が蓄積し、3 人のニキビ跡の組織でも治療4週間後にコラーゲンと弾性線維の増加が報告されました。4 当院のページで「コラーゲンの反応は4週以降まで続く」と案内しているのは、この回復の過程のことです。
肌を削らずに真皮に反応をつくる方法
二つの波長はどう違いますか?
- 1064nm:肌のより深くまで届きます。
- 532nm:深く届く力は弱いものの、色素(肌の色をつくるメラニン)に吸収されやすい波長です。3
LIOBができる深さは、エネルギーやレンズ、肌の色素量によって変わります。色素が多くエネルギーが高いほど、より浅い位置に多くできます。3 色素の多い肌ほど強さを下げる必要があるのはこのためで、当院で皮膚の厚さと状態に合わせて深さを調整するのも同じ理由です。
二つの波長とLIOBができる深さ
どんな悩みに、どのくらい役立ちますか?
同じ系統の機器で韓国人を対象にした研究がいくつかあります。
| 研究 | 対象 | 方法 | 主な結果 |
|---|---|---|---|
| 回折レンズ1064nm、しわ・ニキビ跡2 | 韓国人22人 | 3回、3週間隔 | 盲検の写真評価で約35%改善、3D測定でしわの深さ・肌理・毛穴の指標が改善、弾力の測定値が約9〜11%上昇 |
| 532nmと1064nmの左右比較3 | 韓国人女性8人、肌タイプIII〜IV | 1回 | 肌理・毛穴の改善は同程度、色素は532nm側がより改善、小じわ・たるみは「軽度」未満 |
| ニキビ跡、低エネルギーと高エネルギーの比較4 | 25人 | 3回、4週間隔 | 両側とも傷跡の数が減り効果は同程度、高エネルギー側は痛みと副反応が多い |
| レンズなしで広く照射する1064nmピコ、光老化の色素5 | 韓国人47人 | 2週間隔で6回 | 色素の面積・程度の指数とメラニン指数が低下、重い副反応の報告はなし |
表の言葉を説明すると、「盲検の写真評価」は、どちらが治療前・治療後の写真かを知らない評価者が比べる方法です。「左右比較」は、同じ人の顔の左右に別々の治療をして比べる方法です。「肌タイプ」は日光での焼けやすさで肌を分けたもので、数字が大きいほど肌の色が濃くなります。
悩み別に研究でみられた変化
まとめると、肌理・毛穴・浅いニキビ跡のような質感の変化は、複数回の治療で少しずつ測定されました。色素には532nmが有利かもしれないという予備的な結果があります。23 一方、1回の治療で小じわやたるみが目に見えて変わることは期待しにくいといえます。3
当院のページには「一度に複合的な改善を望む方に」とあります。ただ研究から見ると、複数の悩みを同時に扱いながら、変化は回を重ねて積み上がると理解するほうが正確です。
強くするほどよい治療ではありません
ニキビ跡の研究では、エネルギーを下げた側も高い側と効果が同程度で、痛みと副反応は少なくなりました。4 ただし、これらの研究はいずれも参加者が数十人以下で、比較群がないか追跡期間が短いものでした(左右比較の研究は1回の治療後2週間)。23
ほかの方法もあわせて考えるのは、どんなときですか?
いちばん変えたいことによって、スコルピオが主役になることも、脇役になることもあります。
いちばん変えたいことによって
1肌理・毛穴・浅い傷跡なら
回折レンズで真皮の反応を何回かつくります。研究では3〜4週間隔で3回
スコルピオが中心
2くすみ・シミなら
色素に合わせた波長と強さを検討し、まず肝斑かどうかを見分けます
色素の診断が先
3深い傷跡・目立つしわなら
表面を削るフラクショナルレーザーなどもあわせて検討します。回復は長めです
蒸散型レーザーと併用
4たるみ・輪郭なら
スコルピオだけの役割は小さく、リフト系機器との組み合わせを考えます
HIFU・高周波などと組み合わせ
深いニキビ跡や目立つしわには、皮膚表面に微細な穴を開けるフラクショナル蒸散型レーザーをあわせて検討することがあります。回復期間は長くなり、その違いはウルトラクリアのガイドにまとめています。フェイスラインのたるみが主な悩みであれば、スコルピオ単独で期待できる変化は小さいため、HIFU・高周波やハリと輪郭のためのレーザーとの組み合わせをカウンセリングで一緒に考えます。
施術の流れと回復はどうなりますか?
ボニータクリニックでは、スコルピオは切らない施術として、麻酔クリームを塗ってから行います。日帰り(当日帰宅)で抜糸はなく、施術当日から洗顔できます。ダウンタイムや通院日程は、施術範囲と個人の状態によって異なります。
研究で報告された施術後の反応は次のとおりです。
| 反応 | どのくらい多いか | いつ、どのくらい |
|---|---|---|
| 赤み・ほてり | ほぼ全員23 | たいてい1〜3日で落ち着く |
| かゆみ | 70〜80%台2 | 2〜3日目に始まり2日ほど |
| 点状の出血の跡 | 約60%2 | 数日で消える |
| 小さな吹き出物 | 一部の人2 | 数日で落ち着く |
| 色素沈着 | 22人の研究ではなし、2 8人の研究で1人3 | 紫外線対策だけで2か月後に改善 |
施術後数日の反応
かゆみと点状の出血は、ほかの非蒸散型レーザーより、この系統で特徴的に多く報告されています。2
施術後のケアは次のとおりです。
- 外出時は日焼け止めを使う
- 1週間は刺激の強い化粧品やスクラブを避ける
- 保湿を十分にする
- 熱いお風呂やサウナを避け、ぬるま湯で洗顔する
1週間たっても赤みが引かない、じゅくじゅくするといった場合はご連絡ください。
色素沈着が起きやすい肌では、何に気をつけますか?
左右比較の研究で色素沈着が出た1人はIV型の肌で、532nmで治療した側のフェイスラインにまだらに現れました。研究者は、顔の縁でハンドピースの先端が皮膚に完全に当たらず焦点が浅くなったことを原因と考え、肌の色が濃いほどエネルギーを下げるよう勧めています。3 あごの下やフェイスラインのように角度が変わる部位は、施術者が特に注意すべき場所です。
肝斑にもピコレーザーが研究され、エビデンスレベルIIと整理されています。1 ただ、肝斑はほかのシミと治療計画が異なるため、どの種類の色素かをまず診察で見きわめます。
ボニータクリニックの考え方
ソウルで相談できる治療の選択肢
ボニータクリニックは1995年から同じ場所で診療しており、ブラジルの形成外科専門医であるチョン・グァンソプ代表院長が自ら診察します。肌理・毛穴・トーン・浅い傷跡に対して、当院のページで紹介している機器は次のとおりです。
- スコルピオ:回折レンズを使う二波長のピコ秒レーザー
- ウルトラクリア:より深い変化が必要なときに表面を削る2,910nmフラクショナルレーザー
- メディオスター:当院ではハリと輪郭の目的で使用
- たるみには、ウルセラ(HIFU)、エレビティ(1064nm Nd:YAGレーザー)、10THERMA(高周波)
どれが合うか、どの順番で行うかは、肌を診察してから決めます。
状態によって治療内容と費用が変わるのはなぜですか?
同じ「ピコレーザー」でも、肌理を中心にした数回の治療、色素のための長めのシリーズ、ほかの機器との組み合わせなど、計画は大きく異なります。費用はその計画に沿って決まります。
- 主な悩み:肌理・毛穴・トーン・ニキビ跡
- 使う波長とハンドピース
- 治療範囲
- 回数と間隔
- 肌の色と色素沈着の起きやすさ
- ほかの機器との組み合わせ
対面で肌を診察した後に最終案内
最終的なお見積もりは、対面の診察で波長・回数・組み合わせが決まってからご案内します。写真だけで方向性の見当はつきますが、計画を確定することはできません。
写真でわかること、対面診察が必要なことは?
写真はお悩みを理解するのに役立ちます。ただ、ピコレーザーの計画を左右すること、特に色素の種類や肌の反応の仕方は、対面で見る必要があります。
写真でわかること
- 見える毛穴とざらつき
- シミと色むら
- ニキビ跡のある場所
- 以前のピコやトーニングの結果
対面診察が必要なこと
- 色素の種類(肝斑かどうか)
- 色素沈着の起きやすさ
- フェイスラインや骨の縁の皮膚の薄さ
- 活動性のニキビ・湿疹・刺激
- 横からの光で見る傷跡の深さ
正面と左右45度から、自然光の下で、メイクやフィルターなしで撮った写真が参考になります。以前にピコ、トーニング、ほかのレーザーを受けたことがあれば、その前後の写真も役立ちます。写真と治療歴を添えて、メッセージでご相談いただけます。
来院と回復の計画
事前に確定しているのは、上記の施術案内(手術ではない施術、麻酔クリーム、当日帰宅、抜糸なし、当日から洗顔可)までです。研究では赤みはたいてい1〜3日で落ち着き、かゆみや点状の跡が数日残ることがありました。23
研究での変化の多くは、3〜4週間隔で繰り返した後に得られています。24 来院が1回に限られる場合は、1回の施術で現実的に期待できることをカウンセリングで確認するか、複数回に分けて来院するほうが合っているかを一緒に考えます。来院回数は、肌の状態とご予定に合わせて相談しながら決めます。
帰国後も毎日の紫外線対策とやさしいスキンケアを続け、医師の指示がない限り、治療部位にほかのレーザーやピーリングを重ねないでください。色が濃くなった部分が出てきたら皮膚科を受診し、日付入りの写真を残しておくと、その後の判断に役立ちます。
よくある質問
ピコトーニングと同じですか?
同じピコ秒レーザーで行えますが、方法と目的が違います。レンズを使わず広く弱く当てるトーニングは主に色素が対象で、引用した研究では2週間ごとに6回繰り返していました。5 回折レンズで光を分けて当てる方法は、真皮にLIOBをつくって肌理や傷跡の変化を狙います。2 スコルピオのページで説明しているLIOBは後者で、どう組み合わせるかは肌の状態を見て決めます。
何回、どのくらいの間隔で受けますか?
研究では3週または4週間隔で3回治療した後に変化を評価し、回を重ねるごとに改善スコアが上がりました。24 1回の治療では変化は小さいと評価されています。3 当院では目的に合わせて、おすすめの回数と間隔を事前にご説明します。
施術後すぐに普段どおり過ごせますか?
ほとんどの場合は可能です。当日から洗顔でき、研究では赤みとほてりはたいてい1〜3日で落ち着きました。23 ただ、2〜3日目にかゆみが出たり、点状の跡が数日残ったりすることがあるため、2 大切な予定がある場合はカウンセリングでお知らせください。
たるんだ顔も引き締まりますか?
期待は控えめにしておくのが現実的です。左右比較の研究では、1回の治療後のたるみの改善は「軽度」未満でした。3 3回治療した研究で弾力の測定値が9〜11%ほど上がりましたが、それが目に見えるリフトアップを意味するわけではありません。2 たるみが主な悩みであれば、ほかの機器との組み合わせを計画します。
カウンセリング前に準備しておくとよいこと
- いちばん変えたいこと(肌理・毛穴・シミ・ニキビ跡・小じわ)とその優先順位
- 肝斑と診断されたことがあるか、レーザー後に色素が濃くなったことがあるか
- 最近受けたレーザー・ヒアルロン酸・糸リフトなどとその時期
- 使っているレチノイド(塗り薬、内服のイソトレチノイン)やステロイド
- 施術後数日のあいだに外せない予定
ボニータクリニックはソウル市瑞草区江南大路565の3階、地下鉄7号線・論峴(ノニョン)駅8番出口から歩いて約100mの場所にあります。施術の詳細はスコルピオのページをご覧ください。表面を削るレーザーはウルトラクリアのページとウルトラクリアのガイド、ハリと輪郭はメディオスターのガイド、肌の奥を温めてハリを目指すレーザー機器はエレビティのガイドにまとめています。
参考資料 (5)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Wu DC, Goldman MP, Wat H, Chan HHL. A Systematic Review of Picosecond Laser in Dermatology: Evidence and Recommendations. Lasers Surg Med. 2021;53(1):9-49.doi:10.1002/lsm.23244ピコレーザー研究77件をエビデンスレベルで整理したシステマティックレビュー(抄録):肌の再生II、肝斑II、傷跡II〜III、良性色素病変I〜IV、タトゥーI
- Lee CH, Jin EM, Seo HS, et al. Efficacy and Safety of Treatment with Fractional 1,064-nm Picosecond Laser with Diffractive Optic Element for Wrinkles and Acne Scars: A Clinical Study. Ann Dermatol. 2021;33(3):254-262.doi:10.5021/ad.2021.33.3.254同じメーカーの以前の機器(PicoLO、回折レンズ1064nm)で韓国人22人に3回:盲検評価で約35%改善、3D測定と弾力測定の改善、組織でのLIOB、赤み1〜3日・かゆみ・点状出血などの副反応、比較群なし
- Han HS, Hong JK, Park SJ, et al. A Randomized, Prospective, Split-Face Pilot Study to Evaluate the Safety and Efficacy of 532-nm and 1,064-nm Picosecond-Domain Neodymium:Yttrium-Aluminum-Garnet Lasers Using a Diffractive Optical Element for Non-Ablative Skin Rejuvenation: Clinical and Histological Evaluation. Ann Dermatol. 2023;35(1):23-31.doi:10.5021/ad.22.070回折レンズ532nmと1064nmピコレーザーの左右比較(韓国人女性8人、1回、2週間追跡):肌理・毛穴は同程度、色素は532nmが優位、しわ・たるみの変化は小さい、IV型の1人に色素沈着、色素が多くエネルギーが高いほどLIOBは浅い、動物の皮膚で真皮のLIOBと1〜4週のコラーゲン形成
- Lee SH, Kim DH, Jo SJ, et al. The efficacy and safety of low- versus high-fluence fractional picosecond Nd:YAG 1064-nm laser in the treatment of acne scars: A randomized split-face comparison study. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2024;40(1):e12922.doi:10.1111/phpp.12922ニキビ跡25人の左右比較試験(抄録)、4週間隔で3回:低エネルギーでも効果は同程度で痛みと副反応が少ない、治療4週後にコラーゲンと弾性線維が増加
- Kim YJ, Suh HY, Choi ME, et al. Clinical improvement of photoaging-associated facial hyperpigmentation in Korean skin with a picosecond 1064-nm neodymium-doped yttrium aluminum garnet laser. Lasers Med Sci. 2020;35(7):1599-1606.doi:10.1007/s10103-020-03008-zレンズなしで広く照射する1064nmピコレーザー(トーニング方式)、韓国人47人に2週ごと6回(抄録):色素の指数が低下、重い副作用なし
この記事について
この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


