ソウルでの事故の傷跡治療:へこんだ傷跡は時期によって方法がどう変わるか
事故の傷跡は、いつ相談するかによってアプローチが変わります。傷が治り始めたばかりの時期は、傷跡が残りにくくなるようサポートすることに重点を置きます。数か月から1年以上たって落ち着いた傷跡は、へこんだ形を先に戻してから色味とキメを整えます。底が下に引き込まれて影になる傷跡は癒着をはがし、広くへこんだ部分はご自身の脂肪で補い、広がったり厚くなったりした線は切除して細く縫い直す方法を検討します。他院で治療が難しいと言われた場合でも、ソウルへのご来院を計画する前にまずお写真を送って、どんな方法が合いそうかを確かめることができます。

事故の傷跡は、なぜへこんだりくぼんだりするのでしょうか
交通事故、転倒、鋭いもので切った傷、折れた骨を固定するためにピンを入れた跡など、事故の傷跡は原因も形もさまざまです。それでも目立つ理由を分けてみると、おおむね次の3つにまとまります。
- ボリュームが失われた場合:皮膚の下の組織が失われて、広くへこんでいます。
- 底が引き留められた場合:治る過程でできた瘢痕組織が傷跡の底を下に引き留め、影ができています。このように下の組織に貼りついた状態を「癒着」といいます。
- 線が広がった場合:傷が開いたまま治って、線が広がったり厚くなったりしています。
へこんだ傷跡は「影」で目立つ
傷跡は、傷が治る過程の結果です。治った部分は時間がたっても、けがをしていない皮膚の強さを完全には取り戻しません。1 そのため事故の傷跡の治療の目標は、けがをする前の皮膚に戻すことではなく、へこみと影、線の幅、色ときめを一つずつ目立ちにくくすることです。
ボニータクリニックで診療している事故・施術の副作用による傷跡は、次のとおりです。
- ぶつけたりけがをしたりしてへこんだお尻のくぼみ
- 骨折のピン手術の後、ふくらはぎ・太ももに残ったへこんだ傷跡
- 外傷による顔のへこんだ傷跡
- プロテーゼやフィラーを取り除いた後のへこみ
傷跡の形ごとに、どんな方法を使うのでしょうか
同じ事故の傷跡でも、なぜ目立つのかによって方法が変わります。ボニータクリニックでは、傷跡のタイプと方法を次のように組み合わせて考えます。
こんな傷跡には、こんな方法
1底が引き込まれて影になるなら
底を引き留めている線維を切ってほどきます
サブシジョン
2広くボリュームが失われたなら
自分の脂肪を移してへこみを補います
脂肪移植
3線が広がった・厚くなったなら
傷跡を切り取り、細く縫い直します
切除と再縫合
4細く深くへこんでいるなら
縫合しないパンチ法で底を持ち上げます
パンチ法
それぞれの方法をもう少し詳しく見てみましょう。
- サブシジョン(癒着の剥離):針を傷跡の下に入れ、底を引き留めている線維を切る方法です。切り離すことでへこみが持ち上がり、その後の通常の治る過程でできる結合組織(組織のすき間を埋めて支える組織)が底を支えると説明されています。4
- 脂肪移植:自分の脂肪を移して広いへこみを補います。26件・905人をまとめたシステマティックレビュー(一つのテーマの研究をもれなく集めて整理した研究)では、すべての研究が傷跡の見た目・皮膚の状態・ボリュームと輪郭の改善を報告していました。ただし、根拠の水準と研究方法の質は低いと評価されています。5 45件・3,033人をまとめたメタ解析(多くの研究の結果を合わせて計算し直した研究)では、傷跡の評価スコアが有意に改善し、特に硬さと柔らかさの変化がはっきりしていました。目的の結果までに平均1.4回が必要で、軽い合併症は施術の4.8%で起きています。6 改善の報告は多いものの、1回で終わらないことがあり、研究の質もまだ高める必要があります。
- 切除と再縫合:広がったり厚くなったりした傷跡を切り取り、細く縫い直します。手術による修正は、傷跡が成熟する(落ち着ききる)まで数か月から1年以上待ってから検討することが多いとされます。1
- レーザー:13か国の専門家26人による国際的なコンセンサスは、レーザーを外傷による傷跡とひきつれ(傷跡が縮んで引っぱること)の第一選択の治療と位置づけ、血管レーザーとアブレーティブ・ノンアブレーティブのフラクショナルレーザーを主に取り上げています。2 ただし、レーザーは表面のきめと色を整えるのが得意で、深くへこんだ底を単独で持ち上げるのは難しい治療です。
方法ごとに傷跡の下で起きること
けがからどれくらいたったかが、なぜ大切なのでしょうか
傷は閉じた後もしばらく変わり続けます。治る過程は大きく3つの段階に分けられます。1
- 炎症期:けがの直後24〜48時間に炎症細胞が最も多くなり、3日ごろに落ち着きます。
- 増殖期:2〜10日ごろに、新しい組織が傷を埋めます。
- 成熟期:その後、数か月から1年以上にわたって傷跡が組み直され、形と色が変わり続けます。
傷の強さは3週でけがをしていない皮膚の20%ほど、6週で70〜80%まで上がりますが、元の皮膚と同じにはなりません。1 表面は治ったように見えても、内側では長いあいだ傷跡が整え直されています。
傷が傷跡として落ち着くまで
そのため、いつ来院したかによって、できることが変わります。
- 傷が治り始めたばかりの時期:傷跡はまだ落ち着いていないので、深さや色素沈着(肌が黒ずむこと)、厚みが残りにくくなるよう助けることが目標です。2014年の専門家コンセンサスは、レーザー、特にアブレーティブ・フラクショナルレーザーを、ひきつれの予防や傷の回復を助ける早期治療に含める可能性を示しました。ただし、主に専門家の意見にもとづく結論です。3 応急処置や傷が治る時期のケアは傷の回復のゴールデンタイムのガイドにまとめています。
- 数か月たって傷跡が変化している時期:赤みや厚みが残っていれば、表面の治療で経過を見ながら、形の修正が必要かを判断します。
- 1年近く、またはそれ以上たって落ち着いた傷跡:さらに変わるのを待つより、へこんだ形そのものを戻す方法(サブシジョン、脂肪移植、切除と再縫合)を先に検討します。残った色ときめは、その後レーザーで整えます。
治療の流れと回復はどうなりますか
ボニータクリニックでは、事故の傷跡の修復を外科的手術で行います。局所麻酔または静脈麻酔(リラックス麻酔)で、日帰り(当日帰宅)、抜糸があります。外科的・施術的な修復は通常1〜3回に分けて行い、レーザーは経過を見て跡が残っている場合にだけ照射します。ダウンタイムと通院の日程は、傷跡の範囲とお体の状態によって異なります。
| 時期 | よくある変化 | クリニックで行うこと |
|---|---|---|
| 施術直後 | 施術部位の腫れ・内出血、脂肪を採った部位の腫れ | 施術部位の保護、洗顔・メイク・シャワーを始める時期の案内 |
| 回復の間 | 赤みと腫れが少しずつ引く | 抜糸、紫外線対策の案内 |
| 落ち着く時期 | 補ったボリュームと傷跡の線が安定する | 経過を見て追加治療が必要か判断 |
前もって知っておきたい限界は何でしょうか
- 治った部分は、けがをしていない皮膚と同じにはなりません。1 目標は、へこみと影、線の幅を目立ちにくくすることです。
- 脂肪移植は1回で終わらないことがあります。傷跡の治療に用いた脂肪移植では、目的の結果までに平均1.4回が必要でした。6 結果はおおむね良好と報告されていますが、根拠の質はまだ低い段階です。5
- 幹細胞のように細胞を使う傷跡治療は研究が進んでいる段階です。人で確かな効果が確立された細胞による傷跡治療はまだないとまとめられています。1 脂肪に幹細胞を加えたときの効果も、今後数値で確かめるべき課題とされています。6
- 切除して縫い直した部分には新しい線が残り、落ち着くまで時間がかかります。出血、感染、炎症などの手術の副作用が起こることもあります。
ボニータクリニックの考え方
ボニータクリニックの進め方
- 1時期と状態の確認治り始めの初期か、落ち着いた傷跡か
- 2形の修復剥離・充填・切除・パンチから必要なものだけ
- 3表面の仕上げ赤み・色素・きめに合わせた2〜3種類のレーザー
- 4経過確認ふつう1〜3回に分けて進める
レーザーは経過を見て跡が残る場合にだけ使います
ソウルで相談できる治療の選択肢
ボニータクリニックは1995年の開院から同じ場所で診療を続け、ブラジルの形成外科専門医であるチョン・グァンソプ代表院長が自ら診察しています。事故の傷跡について、当院で行っている方法は次のとおりです。
- 時期と状態の確認:治り始めの傷か、落ち着いた傷跡か
- 影になるへこみへの癒着剥離(サブシジョン)
- 広いへこみへの脂肪移植と脂肪由来幹細胞の併用
- 広がった・厚くなった傷跡の切除と細い再縫合
- 細く深いへこみへの縫合しないパンチ法
- 残った赤み・色素・きめへの複合レーザー(2〜3種類。フラクショナル、CO2、ピコ、血管レーザー、RFマイクロニードルから選択)
どれが必要で、どの順番で行うかは診察のあとに決まります。
状態によって方法と費用が変わる理由
同じ「事故の傷跡」でも、必要な計画はまったく違うことがあります。けがの原因よりも、傷跡の大きさとタイプが計画と費用を左右します。
- けがからの期間
- 部位と大きさ:顔・お尻・太もも・ふくらはぎ
- 癒着、ボリューム不足、線の広がり
- 脂肪移植が必要か
- 麻酔:局所麻酔か静脈麻酔か
- 治療回数とこれまでの手術
対面診察のあとに最終的な計画と費用をご案内
最終的な見積もりは、対面診察で方法、回数、脂肪移植の有無がはっきりしてからお伝えします。写真で方向性はつかめても、範囲までは決められません。
写真でわかること、対面診察が必要なこと
写真は最初の一歩として役立ちます。特にほかの医院で難しいと言われた場合は、まず写真から始めましょう。ただし、傷跡の下で何が起きているかは写真だけでは判断できません。
写真でわかること
- 傷跡の場所・長さ・幅
- 見えるへこみと影
- 赤みや茶色の跡
- けがからの変化(以前の写真)
対面診察が必要なこと
- 底が引き留められているか
- どれだけボリュームが失われたか
- 傷跡の硬さと皮膚の厚み
- ピンやプレートが残っているか
- 脂肪を採れる部位
役立つ写真は、傷跡を正面と横から撮ったもの、そして横から光を当てた写真です。へこみの影がよくわかります。けがの直後の写真もあれば役立ちます。写真、けがをした日、これまでの治療を添えて、メッセージでご相談いただけます。
来院・回復・帰国後の計画
事前に確定しているのは上記の案内、つまり局所麻酔または静脈麻酔での手術、当日帰宅、抜糸があるという点までです。修復はふつう1〜3回に分けて行い、レーザーは跡が残る場合にだけ加えます。そのため、ソウルでの滞在期間や再来院の必要性は、治療範囲がはっきりしてから相談のなかで一緒に決めます。
施術直後は、まず部位を保護します。赤みと腫れは少しずつ引いていき、その頃から紫外線対策が大切になります。脂肪移植を行う場合は、脂肪を採取した部位にも内出血や腫れが出ることがあります。傷跡は数か月にわたって組み直されるため、1 最終的な見た目は最初の数週間ではなく時間をかけて判断します。
帰国してから、施術部位の赤みや熱っぽさ、痛み、分泌物が落ち着かずにかえって増えてきたら、早めに医療機関を受診してください。傷跡が落ち着いていく様子を日付つきで撮っておくと、あとで診る医師にも参考になります。
実際の治療例
ボニータクリニックが事故の傷跡のページで紹介している症例です。結果には個人差があります。

お尻の片側が深くへこんでいた例

太ももの外側に沿ってへこんだ傷跡が並んでいた例

ひざの下に丸く深いへこみがあった例

目の横の頬に赤みと茶色の小さな傷跡が残っていた例
※ 施術前後の写真は個人によって結果が異なります。副作用が生じる可能性があるため、医師と十分にご相談のうえご判断ください。
よくある質問
傷跡の治療は、いつ相談すればよいですか。
傷が治り始める初期の相談をおすすめします。傷跡が落ち着く前にケアを始められるからです。ただし切除して縫い直す手術による修正は、傷跡が成熟するまで数か月から1年以上待ってから検討することが多くなります。1 そのため初期の相談は、「いますること」と「あとですること」を分ける場と考えるとよいでしょう。
何年も前の傷跡でも治療できますか。
古い傷跡も相談できます。可能な範囲は、傷跡の大きさとへこみ、底の癒着、周りの組織の状態を見てご案内します。古い傷跡は、さらに変わるのを待つより形の修正から検討することが多くなります。
ピンの跡のように傷跡がいくつも並んでいる場合、一度に治療しますか。
傷跡の数・場所・へこみの種類によって異なります。同じ部位の似た傷跡は一緒に扱うこともあり、広いへこみと線の傷跡が混ざっていれば段階を分けます。ボニータクリニックでは、外科的・施術的な修復をふつう1〜3回に分けて行います。
脂肪移植は1回で終わりますか。
1回で目的の形にならないことがあります。傷跡の治療に用いた脂肪移植の研究をまとめた分析では、目的の結果までに平均1.4回が必要でした。6 そのため、一度に多く入れるより経過を見ながら分けて補うことがあります。
幹細胞治療の効果は確かですか。
細胞を使う傷跡治療はまだ研究段階で、人で確かな効果が確立されたとは言えません。1 ボニータクリニックは脂肪移植とともに脂肪から分離した幹細胞を使っていますが、結果は傷跡の状態と人によって異なります。
相談の前に準備しておくとよいこと
- けがをした日と原因(交通事故、転倒、切り傷、骨折の手術など)、救急や手術で受けた処置
- その後の治療:レーザー、軟膏やシリコンシート、傷跡への注射、以前の修正手術
- ピンやプレートがまだ入っているか、抜去手術の予定があるか
- 傷跡が盛り上がったり、ケロイド(傷の範囲を越えて厚く育つ傷跡)になったりしたことがあるか
- 普段飲んでいる薬
ボニータクリニックは、ソウル市瑞草区江南大路565の3階、地下鉄7号線論峴駅8番出口から徒歩約100mです。詳しくは事故の傷跡のページをご覧ください。けがをして間もない傷は事故の応急治療のページと傷の回復のゴールデンタイムのガイド、へこんだ切開の傷跡は顔のへこみ・切開傷跡のページ、顔のへこんだ切開傷跡ガイド、体のへこんだ切開傷跡ガイドにまとめています。
参考資料 (6)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Marshall CD, Hu MS, Leavitt T, et al. Cutaneous Scarring: Basic Science, Current Treatments, and Future Directions. Adv Wound Care (New Rochelle). 2018;7(2):29-45.doi:10.1089/wound.2016.0696皮膚の瘢痕の総説:創傷治癒の段階と時期(炎症は24〜48時間で最多・3日ごろに落ち着く、増殖2〜10日、成熟は数か月〜1年以上)、傷の強さは3週20%・6週70〜80%で元に戻らない、手術による修正は数か月〜1年以上待って検討、人で確かな細胞による傷跡治療はまだない
- Seago M, Shumaker PR, Spring LK, et al. Laser Treatment of Traumatic Scars and Contractures: 2020 International Consensus Recommendations. Lasers Surg Med. 2020;52(2):96-116.doi:10.1002/lsm.2320113か国26人の専門家によるデルファイ法のコンセンサス(抄録):レーザーは外傷の傷跡とひきつれの第一選択、血管レーザーとフラクショナルレーザー
- Anderson RR, Donelan MB, Hivnor C, et al. Laser treatment of traumatic scars with an emphasis on ablative fractional laser resurfacing: consensus report. JAMA Dermatol. 2014;150(2):187-193.doi:10.1001/jamadermatol.2013.7761専門家8人のコンセンサス(主に専門家の意見、抄録):アブレーティブ・フラクショナルレーザーを、ひきつれ予防と回復を助ける早期治療に含める可能性
- Orentreich DS, Orentreich N. Subcutaneous incisionless (subcision) surgery for the correction of depressed scars and wrinkles. Dermatol Surg. 1995;21(6):543-549.doi:10.1111/j.1524-4725.1995.tb00259.x手技の報告(抄録):サブシジョンはへこんだ傷跡の下の線維を切り、剥離と治る過程の結合組織によってへこみが持ち上がる
- Negenborn VL, Groen JW, Smit JM, et al. The Use of Autologous Fat Grafting for Treatment of Scar Tissue and Scar-Related Conditions: A Systematic Review. Plast Reconstr Surg. 2016;137(1):31e-43e.doi:10.1097/PRS.0000000000001850システマティックレビュー(26研究・905人、抄録):脂肪移植で見た目・皮膚・ボリュームと輪郭の改善が報告されたが、根拠の水準と方法の質は低い
- Krastev TK, Schop SJ, Hommes J, et al. Autologous fat transfer to treat fibrosis and scar-related conditions: A systematic review and meta-analysis. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2020;73(11):2033-2048.doi:10.1016/j.bjps.2020.08.023メタ解析(45研究・3,033人、抄録):傷跡スコアの改善(特に硬さ・柔らかさ)、平均1.4回、軽い合併症4.8%、幹細胞などを加えた効果は今後の定量化が必要
この記事について
この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


