ソウルで拘縮鼻の再手術を考える方へ:短く上を向いた鼻は、いつ・どのように伸ばせるのか
拘縮鼻は、硬くなった皮膚と被膜(プロテーゼの周りにできた膜)が、内側から鼻を引っ張っている状態です。そのため、短くなった鼻をそのまま伸ばすだけでは再び縮むことがあります。一般的な順序は次のとおりです。原因となったプロテーゼと被膜を処理し、皮膚が十分にやわらかくなったのを確かめます。そのうえで、くっついた組織をほどき、肋軟骨(あばら骨の軟骨)などの自分の組織で鼻を支える構造を作り直します。いつ手術できるかは決まった月数ではなく、皮膚と炎症の状態で判断します。状態によっては手術を二回に分けます。ソウルでの治療を検討中なら、まず写真と手術歴を送っていただければ、どのような段階になりそうかをお伝えします。

拘縮鼻はどのように起こるのですか?
拘縮鼻とは、鼻の中の組織が硬くなって縮み、鼻全体を上へ引き寄せてしまった状態です。「拘縮」とは、組織が縮んで引きつれることをいいます。アジア人の鼻の再手術で独立して扱われるほど、特徴的な変形です。原因として三つが挙げられています。2
- シリコンのプロテーゼの周りの被膜が縮むこと(収縮)
- プロテーゼが長く鼻先の軟骨を圧迫したことによる損傷
- プロテーゼを入れた後の感染
シリコン鼻形成後の被膜拘縮は、異物(体の外から入ったもの)に対して体が異常に厚い線維性の被膜をつくる反応と説明されています。硬くなった組織には、長く続く炎症(慢性炎症)や異物反応がみられました。1
拘縮鼻でよく見られる変化
拘縮鼻は、鼻のいくつもの場所に同時に現れます。下の図で、よく見られる変化をまず確かめてみてください。
被膜が縮んで鼻を引っぱる流れ
目に見えない細菌が関わることもあります
ある研究では、シリコン鼻形成の後に形が変わって修正手術を受けた33人のプロテーゼと被膜を調べました。細菌が集まって膜をつくり、表面に付着したものをバイオフィルムといいます。バイオフィルムは、拘縮1段階では10人中1人(10%)、4段階では5人中4人(80%)から見つかりました。拘縮が重いほど、多く検出されたことになります。3 赤みや膿が出たことがなくても拘縮が進むことがある理由の一つです。
拘縮の程度はどう分けますか?
被膜拘縮のすべてが、手術の必要な拘縮鼻というわけではありません。シリコンで鼻形成を受けた695人の写真を分析した研究は、拘縮を4段階に分けました。1
- 1段階 自然な状態:71.7%
- 2段階 プロテーゼの縁がやや不自然な軽度:14.5%
- 3段階 プロテーゼが曲がり、皮膚が硬くなった中等度:10.8%
- 4段階 鼻が短くなり、鼻の穴が見える重度:3.0%
再手術が必要とされたのは、中等度と重度をあわせた13.8%でした。1 この研究では、100人のうち14人ほどが再手術を必要とするほどの拘縮だったことになります。
シリコン鼻形成100人に置きかえると
拘縮の段階と研究で示された対応
11段階:プロテーゼが目立たないなら
自然な状態で、治療は不要です
22段階:プロテーゼの縁が不自然なら
軽度の拘縮で、通常は再手術の対象外です
33段階:プロテーゼが曲がり皮膚が硬いなら
中等度:被膜の切開とプロテーゼの入れ替え、鼻先の瘢痕の除去が提案されました
44段階:鼻が短く鼻の穴が見えるなら
重度:被膜を取り除き、軟骨で鼻中隔を延長して鼻先を支えることが提案されました
段階を分けるのは、段階ごとに対応が変わるからです。プロテーゼが曲がった程度なら、被膜を切開してプロテーゼを入れ替えることで足りる場合があります。しかし鼻が短くなり鼻の穴が見える段階では、被膜を取り除き、軟骨で鼻中隔(鼻の中の仕切り)を延長して鼻先を支えることが提案されています。1 鼻先の上向き、小鼻の持ち上がり、硬くなった皮膚は、この分類では3〜4段階の姿に近いといえます。
なぜ伸ばす前に、まずほどくのですか?
重度の拘縮鼻では、皮膚と軟部組織(皮膚の下のやわらかい組織)の覆い全体が張って硬くなっています。そのため、これを広げることが矯正の第一段階とされています。4 その下の鼻先の軟骨も弱っています。そのため、硬い軟骨で支えなければ、鼻先の高さをつくり保つのは困難です。4
伸ばす前に、まずほどく理由
重度の拘縮鼻59人を治療した報告があります。手術中に鼻先の軟骨を周りの瘢痕(傷あと組織)から解放して前に移し、肋軟骨などの自分の軟骨で内部の骨組みを作り直しました。51人が結果に満足しました。8人は再手術を受けており、理由は感染(2人)、鼻の曲がり(1人)、軟骨の反り(2人)、形への不満(3人)でした。4
被膜を残すとどうなりますか?
被膜を残すかどうかも、結果に関わります。シリコンを抜去して軟骨を移植した(移して入れた)患者を比べた研究を見ると、拘縮と厚い被膜があった8人では、被膜を取り除いた後に鼻の長さの指数が8.6%増えました。一方、被膜を残した群ではむしろ減っていました。6 著者らは、被膜の除去そのものが拘縮した鼻をほどき、ある程度長くできると考えています。6
いくつもの方法を組み合わせる理由
以前の手術の後に短くなった鼻41人を再手術した研究では、次のような結果でした。5
- 以前の鼻筋の材料は、シリコンが最も多くありました。
- 鼻中隔の再建・鼻先の手術・鼻筋の補強など、複数の術式を組み合わせる必要がありました。
- 鼻中隔の再建には、肋軟骨が最も多く使われました。
- 鼻の長さは平均12.0%、鼻先の突出(前への出方)は13.4%増えました。
- しかし27%に、感染や鼻孔の左右差などの合併症が起きています。
拘縮鼻の矯正は一つの技術で終わるものではなく、合併症もまれではありません。このことを手術前に知っておくことが大切です。
皮膚が足りないとき
皮膚そのものが大きく不足していると、軟骨の骨組みを立てても覆えません。鼻先が強く引き込まれている場合は皮膚の覆いが足りないことがあり、ほかの部位の組織で覆う方法が報告されています。2 ボニータクリニックでは、必要な場合に自家皮膚移植(自分のほかの部位の皮膚を移すこと)で、不足した皮膚を補う方法を検討します。
いつ手術できますか?
ボニータクリニックでは、皮膚が最もやわらかくなる時期まで待ってから拘縮鼻を再建します。プロテーゼを抜いた後、硬い組織がほぐれるまでには時間がかかり、炎症があればまずそれをおさめる必要があるためです。決まった月数ではなく、診察で次のことを確かめて時期を決めます。
- 皮膚を触ったときのやわらかさ
- 赤みが残っていないか
- 炎症の痕跡がないか
一度の手術ですべてを整えられないこともあります。拘縮鼻を矯正した後、小鼻と鼻柱の関係を整える追加の移植は、6か月たって最終的な関係を見極めてから行うよう勧める報告があります。2 このように、大きな構造を先に立て、落ち着いてから細部を整える段階的な計画が必要になる場合があります。
拘縮鼻の再建の段階
- 1炎症の確認炎症・感染があればまずおさめる
- 2原因の処理プロテーゼと硬い被膜
- 3待機皮膚が十分やわらかくなるまで
- 4ほどいて再建癒着の剥離、肋軟骨などで支える
- 5必要なら二次不足した皮膚の補充、細部の調整
すべての人がすべての段階を経るわけではなく、状態によっては一度で行います
回復はどうですか?限界は何ですか?
ボニータクリニックでは、拘縮鼻の再手術を全身麻酔または静脈麻酔で行い、手術当日にご帰宅いただけます。抜糸があり、ダウンタイムと通院の予定は手術の範囲と個人の状態によって異なります。肋軟骨を使う場合は、胸にも小さな切開ができます。その部位の痛みと傷も、鼻と一緒に回復していきます。
硬かった皮膚が再び縮んでいかないかは、術直後ではなく数か月かけて確かめます。上の研究のように、感染、左右差、移植軟骨の反りで、追加の手術が必要になることもあります。45
長く硬くなっていた皮膚は、伸ばせる長さや高さに限りがあります。そのため、初回手術前の鼻に戻すことより、短く上を向いた変形を減らして安定させることを目標にするのが現実的です。
ボニータクリニックの考え方
診察で特に見るのは三つです。
- 眉間から鼻先までの鼻の長さ
- 皮膚と組織の厚さ、伸び具合
- 鼻と上唇のあいだの角度
ソウルで相談できる治療の選択肢
1995年に開院したボニータクリニックは、同じ場所で診療を続けています。ブラジルの形成外科専門医であるチョン・グァンソプ代表院長が、診察から手術まで自ら担当します。拘縮鼻について相談できるのは、再手術ページに掲載している次の内容です。
- 皮膚の硬さ、短縮の程度、残っている軟骨、癒着、感染歴の評価と、適した時期の判断
- 癒着・拘縮した組織の剥離
- 肋軟骨などの自家組織による鼻筋・鼻先の支えの再建
- 皮膚が足りない場合の自家皮膚移植
- 必要に応じた一次・二次に分ける段階的な計画
どれが必要かは診察の後に決まります。プロテーゼが入っていて、まず抜去を考えている方は鼻プロテーゼ抜去のページもご覧ください。
方法と費用が人によって違うのはなぜですか?
同じ「拘縮鼻」でも、段階は人によって大きく違います。計画と費用を決めるのは診断名より、拘縮の重さと段階の分け方です。
- 拘縮の段階
- プロテーゼと被膜が残っているか
- 支えに使う肋軟骨などの軟骨
- 皮膚移植が必要か
- 一度か二度に分けるか
- 全身麻酔か鎮静麻酔か
対面診察の後に最終的な計画とお見積もり
最終的なお見積もりは、対面診察の後にご案内します。その時点で、どこまで組織をほどくか、どの軟骨が必要か、段階を分けるかが明らかになるからです。
写真でわかること、対面診察が必要なことは?
写真は形をよく伝えます。ただし、時期を決める皮膚の硬さや伸び具合は写りません。
写真でわかること
- 上を向いた鼻先と見える鼻の穴
- 横顔での鼻の長さ
- 後ろに引かれた鼻柱
- 下から見た小鼻の挙上
- 赤みや皮膚のでこぼこ
対面診察が必要なこと
- 皮膚の硬さと伸び具合
- 残っているプロテーゼと被膜
- 残っている鼻中隔軟骨の量
- いま炎症があるかどうか
- 肋軟骨を採る胸の状態
あると役立つ写真は、正面、左右の横顔、左右45度、下からのあおりです。初めての鼻の手術の前の写真があれば、どれだけ短くなったかが分かるので添えてください。写真と、これまでの手術やプロテーゼ抜去の時期を、メッセージでお送りいただけます。
来院と回復の計画
事前に確定しているのは、上の案内(全身麻酔または鎮静麻酔、当日帰宅、抜糸あり)までです。拘縮鼻は、ほかの再手術より計画が必要になることが多いものです。プロテーゼが残っていれば、抜去と再建のあいだに待機期間を置くことがあります。二次手術が必要なら、通常は一次手術から数か月後になります。ソウルへの渡航が何回になるか、各滞在の長さ、抜糸の時期は診察の後に一緒に決めるもので、事前には決められません。
肋軟骨を使った場合は、胸の傷も治っていく必要があることを念頭に置いてください。帰国後、鼻や胸の赤み・熱感・痛み・腫れが強くなる、分泌物が出るといった場合は、早めに医療機関を受診してください。その後数か月の日付入りの写真は、鼻が安定しているかを確かめる手がかりになります。
実際の治療例
ボニータクリニックの拘縮鼻再手術ページに掲載している症例です。結果には個人差があります。

小鼻の横にへこんだ傷跡が見えていたケース(近接)

小鼻に白くへこんだ傷跡が見えていたケース(近接)
※ 施術前後の写真は個人によって結果が異なります。副作用が生じる可能性があるため、医師と十分にご相談のうえご判断ください。
よくある質問
拘縮鼻の再手術はいつできますか?
皮膚が十分やわらかくなってから再建します。プロテーゼがまだ入っていれば、先に処理して待つ期間が必要なことがあります。炎症があれば、おさまってからにします。正確な時期は皮膚の状態を診察して決め、状態によっては手術を段階的に分けます。
プロテーゼを抜けば鼻はまた伸びますか?
プロテーゼだけを抜いて周りの被膜を残すと、組織が再び縮んだり、鼻の形が不自然になったりすることがあります。被膜を残すとむしろ鼻が短くなったという比較研究もあります。6 そのため、被膜の処理と、抜いた後に何で支えるかを一緒に判断します。
肋軟骨は必ず必要ですか?
拘縮鼻では、硬い皮膚の引く力に負けない支えが必要です。そのため主に肋軟骨などの自分の組織を検討します。ただ、残っている鼻中隔や耳介の軟骨で足りる場合もあるため、診察後に決めます。肋軟骨には反りが出る可能性があることもご説明します。
一度の手術で終わりますか?
拘縮の程度と皮膚の状態によります。一度で済む場合もあります。しかし皮膚が足りない、小鼻や鼻柱の細かい調整が必要という場合は、大きな構造が落ち着いた数か月後に二度目の手術を計画します。
傷跡はどこに残りますか?
鼻の傷跡は主に鼻の穴の中と鼻柱(左右の鼻の穴の間の柱)に残り、薄くなるよう管理します。肋軟骨を使えば胸に、自家皮膚移植をすれば皮膚を採った部位にも傷跡が残ります。
相談前に準備しておくとよいこと
- これまでの鼻の手術の回数と時期、入っている(または抜いた)プロテーゼの種類
- プロテーゼを抜いたなら、その時期とその後の形の変化
- 赤み・膿・抗菌薬の治療など、炎症があった時期
- 正面・横顔・下からの写真と、初回手術前の写真
- 鼻づまりなど呼吸のしづらさ
ボニータクリニックはソウル市瑞草区江南大路565の3階、地下鉄7号線論峴駅8番出口のすぐ近く(徒歩約100m)です。流れは拘縮鼻再手術のページでご覧いただけます。プロテーゼが透ける・ずれた程度なら鼻プロテーゼ再手術のガイドを、抜去については鼻プロテーゼ抜去のガイドを参考にしてください。何度も手術して鼻全体を組み立て直す必要がある場合は、鼻の全体再手術と鼻の全体再手術ガイドが役立ちます。
参考資料 (6)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Kim YK, Shin S, Kang NH, Kim JH. Contracted Nose after Silicone Implantation: A New Classification System and Treatment Algorithm. Arch Plast Surg. 2017;44(1):59-64.doi:10.5999/aps.2017.44.1.59シリコン鼻形成695人の写真分析:拘縮の4段階分類(自然・軽度・中等度・重度、71.7・14.5・10.8・3.0%)、段階ごとの治療の提案、観察期間が短いなどの限界
- Jung DH, Moon HJ, Choi SH, Lam SM. Secondary rhinoplasty of the Asian nose: correction of the contracted nose. Aesthetic Plast Surg. 2004;28(1):1-7.doi:10.1007/s00266-003-3044-8総説(抄録):アジア人の拘縮鼻の原因(シリコン被膜の収縮、プロテーゼの圧迫による鼻先軟骨の損傷、感染)、矯正で扱う二つの要素(鼻先の軟骨と皮膚)、皮膚が足りないときの被覆、小鼻と鼻柱の関係の修正は6か月後に
- Jirawatnotai S, Mahachitsattaya B. Analysis of subclinical infections and biofilm formation in cases of capsular contracture after silicone augmentation rhinoplasty: Prevalence and microbiological study. Arch Plast Surg. 2019;46(2):160-166.doi:10.5999/aps.2018.00864シリコン鼻形成後の拘縮で修正手術を受けた33人(抄録):拘縮が重いほどバイオフィルムの検出が多い(1段階10%→4段階80%)
- Oh YH, Seo JW, Oh SJ, et al. Correction of Severely Contracted Nose. Plast Reconstr Surg. 2016;138(3):571-582.doi:10.1097/PRS.0000000000002516重度拘縮鼻59人(抄録):硬い皮膚の外被を広げることが第一段階、鼻先軟骨を瘢痕から解放して前に出し肋軟骨などで骨組みを再建、51人が満足・8人が再手術(感染2・曲がり1・軟骨の反り2・形の不満3)
- Lan MY, Jang YJ. Revision Rhinoplasty for Short Noses in the Asian Population. JAMA Facial Plast Surg. 2015;17(5):325-332.doi:10.1001/jamafacial.2015.0645術後に短くなった鼻41人の再手術(抄録):以前の鼻筋の材料はシリコンが最多、複数の術式を組み合わせ肋軟骨を最も多く使用、合併症27%、鼻の長さ12.0%・鼻先の突出13.4%増加
- Kook WS, Yang CE, Lew DH. Removal of Nasal Silicone Implant and the Impact of Subsequent Capsulectomy. Plast Reconstr Surg. 2019;144(4):575e-585e.doi:10.1097/PRS.0000000000006095後ろ向き比較(抄録):拘縮と厚い被膜がある8人で被膜を取ると鼻の長さの指数が8.6%増え、被膜を残した群では減少
この記事について
この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


