ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは?ソウルで治療を受ける前に知りたい見分け方
いちばん大切な違いは境界で、肥厚性瘢痕は元の傷の範囲にとどまり、ケロイドは傷の縁を越えてまわりの正常な皮膚へ広がります。肥厚性瘢痕は受傷後数週間で盛り上がり、数か月育ったあと数年かけて落ち着くことが多い一方、ケロイドは数か月〜数年後にも現れ、自然に小さくなることはまれで、切り取るだけでは再び育ちやすい傷跡です。ただし両方の性質をもつ中間型も多いため、形・境界・できた時期・部位・体質を合わせて診察で判断します。その結果によって、経過を見るのか、何から始めるのか、切除するなら再発管理をどこまで組み合わせるのかが変わるため、ソウルでの治療をお考えなら、以前と今の傷跡の写真を用意するところから始めるのがおすすめです。

ケロイドか肥厚性瘢痕か、なぜ見分ける必要があるのですか?
手術やけがの傷が治ったあと、赤く硬く盛り上がってくると、多くの方がまず「ケロイドでは?」と心配されます。けれども、盛り上がった傷跡がすべてケロイドというわけではありません。赤く盛り上がる傷跡は、大きく肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん:厚くなった傷跡)とケロイドの2つに分けられます。
2つの出発点は同じです。皮膚の表面の下にある厚い層を真皮といい、その深い部分を網状層(もうじょうそう)と呼びます。傷がこの深い層まで届き、そこで炎症が長く続くと、どちらかの傷跡ができます。逆に、網状層まで届かない浅い傷ではこうした傷跡はできないと説明されています。3 きっかけもよく似ています。手術、けが、やけど、ピアス、予防接種、虫刺され、ニキビ、毛包炎、水ぼうそうや帯状疱疹などが始まりになり得ます。3 そのため「何が原因でできたか」だけでは、2つを見分けるのは難しいのです。
それでも見分けることが大切なのは、2つの傷跡のその後が違うからです。ある総説(多くの研究をまとめた論文)は、傷跡の種類を見誤ると治療が合わなくなり、美容目的の手術を決めるときにも判断を誤るおそれがあると指摘しています。2 わかりやすく言えば、時間がたてば落ち着いていく傷跡なのか、切り取っても再び育つことがある傷跡なのかによって、何から始めるかが変わります。
この記事では、2つを見分ける手がかり(境界・時期・部位)、どちらとも言えないときの考え方、そして見分けた結果が治療と再発管理をどう変えるのかをまとめます。注射・レーザー・切除といった治療法そのものは、ケロイド・やけど跡の治療ガイドで詳しく説明しています。
1つ目の手がかり:元の傷の境界を越えていますか?
2つを分けるもっとも大切な手がかりは境界です。肥厚性瘢痕は、元の傷があった範囲の中だけで厚くなります。ケロイドは傷の境界を越え、まわりの正常な皮膚へ横に広がっていきます。1 同じ研究の中で両者を直接比べた論文を集めた総説も、横に広がる成長こそがケロイド診断の中心だとまとめています。4
境界を越えたかどうかは、「元の傷がどれくらいの長さと幅だったか」と比べないとわかりません。手術の傷跡なら切開線の長さと抜糸の跡が、けがの傷跡ならけがの直後や抜糸のころの写真が基準になります。傷跡が元の傷より明らかに広くなり、端が正常な皮膚のほうへ伸びているなら、まずケロイドを考えます。
見た目にも違いがあります。ケロイドは硬く、凸凹したかたまりのように盛り上がり、表面はつやがあって細い血管が透けることもあります。色はピンクから紫がかった色までさまざまで、縁ははっきりしていても形は不規則です。肥厚性瘢痕も赤く盛り上がって似て見えますが、手術のあとなら多くは切開線に沿った線状に、ニキビのように炎症があった場所では小さなつぶや結節(小さなしこり)の形になります。2
鏡の前で見える姿
同じ場所の傷跡でも、こんなに違って見えることがあります。見た目ごとに、まず考えることと確認することをまとめました。
同じ場所の傷跡、こんな見た目なら
1線は平らで、色だけ赤いなら
まだ落ち着く途中の傷跡かもしれず、盛り上がってこないか見ながらケアします
経過観察
2元の傷の線に沿って厚く盛り上がったなら
肥厚性瘢痕寄りと考え、数か月で止まって落ち着くか、ひきつれがあるかを見ます
肥厚性瘢痕
3境界を少し越えたように凸凹しているなら
中間型の可能性があり、できた時期・部位・体質を合わせて判断します
中間型
4線の外の正常な皮膚へ爪のように広がったなら
ケロイド寄りと考え、切除するなら再発管理と一緒に計画します
ケロイド
傷跡が大きいからといってケロイドとは限りません。やけどの傷が治るまでに10日かからなければ肥厚性瘢痕になるリスクは4%ですが、21日以上かかると70%以上になるという報告があります。3 そのため、広いやけどのあとの厚い傷跡は、範囲が広くても元のやけどの範囲にとどまる肥厚性瘢痕であることがよくあります。反対に、ニキビ跡のようなごく小さな場所から始まったしこりが元の大きさよりずっと大きくなったなら、大きさにかかわらずケロイドを疑います。
2つ目の手がかり:いつできて、どれくらい育ちましたか?
次の手がかりは時間です。傷跡がいつ盛り上がり始めたのか、そして今も大きくなっているのかを確認します。
肥厚性瘢痕は、ふつう受傷後4〜8週以内に盛り上がり始めます。その後、最大6か月ほど速く育ち、数年かけて少しずつ落ち着いて平らになることが多いとされます。2 治療の流れ(アルゴリズム)をまとめた別の総説も同じ経過を説明しています。受傷から数週間たって目立ち始め、3〜6か月育ち、リスク要因が少なければその後は止まって自然に小さくなる、というものです。6
ケロイドの時間の流れは違います。小さな傷を受けて数年たってから現れることもあり、前胸部の中央では思い当たる傷がないのにできることもあります。いったんできると長く残り、自然に小さくなることはまれです。2 先の比較総説はこの違いを短くまとめています。肥厚性瘢痕は数週間で始まって数か月育つのに対し、ケロイドは数か月後に始まることがあり、育つ期間に終わりが決まっていません。4
ですから、手術から2〜3か月の傷跡が赤く厚いというだけで、ケロイドと決めつけるのは早すぎます。この時期の肥厚性瘢痕は、ちょうど育っている最中かもしれないからです。反対に、1年たっても広がり続けたり、かゆみや痛みがだんだん強くなったりするなら、ケロイド寄りの性質をより疑います。1〜2か月おきに日付入りの写真を残しておくと、こうした変化を比べるのにとても役立ちます。海外の医療機関に相談するときには特に助けになります。
3つ目の手がかり:どこに、どんな形でできていますか?
3つ目の手がかりは部位と形です。肥厚性瘢痕は、肩、首、胸骨の前、ひざ、足首のように皮膚がよく引っぱられる場所にできやすいとされます。ケロイドは前胸部、肩、耳たぶ、上腕、頬にできやすく、まぶた・手のひら・足の裏・粘膜にはまれです。2 張力の少ない頭頂部の頭皮やすねの前、いつもゆるんでいる上まぶたにもできにくいとされます。3
ケロイドには、部位ごとによく見られる形があります。肩では蝶の形、前胸部ではカニの爪の形、上腕ではダンベルの形に育つことが多いのです。その部位の皮膚が引っぱられる方向に沿って育つためと説明されています。たとえば前胸部では大胸筋が皮膚を横に引くので、ここのケロイドは横に長く育ちます。3 日本の瘢痕・ケロイド治療研究会(JSW)の合意文書(専門家が根拠を検討してまとめた推奨)も、どちらの傷跡も皮膚が主に引っぱられる方向へ育つと説明しています。1
きっかけも参考になります。手術のようにはっきりした傷だけでなく、ニキビや虫刺されのようなささいな傷のあとにもケロイドはできることがあります。23 こうした小さなきっかけから始まって大きく育ったしこりは、ケロイド寄りの性質が強いと考えます。
2つの傷跡は、ひと目でどう違いますか?
3つの手がかりに、症状や治療後の経過も加えて表にまとめました。症状も少し違います。どちらの傷跡もかゆみはよくありますが、ケロイドではかなり強い痛みや過敏な感覚が出ることもあります。2 関節が伸びにくくなるひきつれ(拘縮)は、肥厚性瘢痕とより関係があります。4
典型的な2つの傷跡の比較
| 見るポイント | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
|---|---|---|
| 境界 | 元の傷の範囲にとどまる | 傷の外の正常な皮膚へ広がる |
| できる時期 | 受傷後数週間以内 | 数か月〜数年後にも |
| 育つ期間 | 数か月育って止まる | 止まらずに続くことも |
| 自然に落ち着くか | 数年かけて落ち着くことが多い | まれ |
| 形 | 線状や小さな結節 | 縁が不規則、部位ごとに特有の形 |
| ひきつれ(拘縮) | 関節の近くで起こることがある | 少ない |
| 切除だけの場合 | 新たに盛り上がることは少ない | 再び育ちやすい |
1〜2項目が当てはまらないからといって、すぐに反対側だと決めつけるわけではありません。実際の診察では複数の項目を合わせて見て、時間とともに傷跡がどう変わるかまで確認します。
どちらとも言えないときは、何を見ますか?
実際の診療では、2つの特徴をあわせ持つ「中間型」が少なくありません。JSWの合意文書は、こうした傷跡のためにケロイドか肥厚性瘢痕かを決めにくいことが多いと述べています。1 2つを同じ病気の両端と考え、その間にさまざまな段階の中間型が続いているという見方もあります。網状層の炎症がどれだけ強く、どれだけ長く続くかによって、どちらかの端に近づくという説明です。36 一方で、横に広がる成長というはっきりした違いがある以上、今のところは別のものとして扱うのが適切だと考える研究者もいます。4
点数で見る方法
JSWはJSS 2015という評価表を使っています。傷跡がどれくらい盛り上がっているか、横に広がっているか、形やまわりの赤みはどうかといった見た目に、若い年齢で発症したかなどのリスク要因を加えて点数をつけます。5点以下は成熟した(落ち着いた)傷跡、6〜15点は肥厚性瘢痕の性質が強い傷跡、16点以上はケロイドの性質が強い傷跡とみなします。1 合意文書によると、6〜15点の傷跡は治療によく反応しやすく、16点以上の傷跡は治療が効きにくかったり再発しやすかったりするため、複数の治療を組み合わせられる医療機関で扱うことがすすめられています。1 つまりこの点数は、名前をつけるための道具というより、傷跡がどれだけしつこいかを見積もる道具に近いものです。
生検や超音波ではっきり分けられますか?
いつもとは限りません。顕微鏡で見ると、ケロイドには「ケロイド性コラーゲン」と呼ばれる太く均一に染まる線維があり、肥厚性瘢痕には線維の束が固まった結節が見られます。ところがケロイドにもこうした結節が混じっており、両者を正確に分ける基準値はまだありません。そのため、見た目の診断と顕微鏡の診断が一致しないこともあります。1
数字で見るとさらにはっきりします。ケロイド40例と肥厚性瘢痕10例の組織を比べた研究では、ケロイド性コラーゲンが見られたのはケロイドの55%だけでした。肥厚性瘢痕の目印とされる成分(α平滑筋アクチン)も、肥厚性瘢痕の70%、ケロイドの45%に見られ、見分ける目印にはなりませんでした。5 ただし同じ研究は、ケロイド性コラーゲンが診断に役立つことも確かめています。ケロイド性コラーゲンが見られない場合でも、正常に見える皮膚の下へ舌のように入り込む縁など、いくつかの所見はケロイド寄りを示すと報告しています。5 2つを確実に分ける血液や組織の目印は、まだ見つかっていません。1
超音波やエラストグラフィ(組織の硬さを映す超音波)は、傷跡の厚みや硬さを確かめ、治療の経過を比べるのに使えます。ただし、画像検査だけでケロイドと肥厚性瘢痕を正確に見分けることはできません。1 結局、判断の中心は診察です。元の傷との関係、できた時期と育つ速さ、部位と体質を合わせて見ることが、もっとも実用的な方法です。
傷跡の縁はどうなっていますか?
- 元の傷の線の内側にとどまる肥厚性瘢痕寄り数か月で止まり落ち着くか見る
- 線の外の正常な皮膚へ広がるケロイド寄り小さな傷から大きくなったなら、なおさら
- 少し越えたようであいまい中間型時期・部位・体質を合わせて見る
- 急に大きくなる・典型的でない形別のできものの可能性まず生検を検討
受診した国や医療機関で呼び名が違うことも
ケロイドはアフリカ系の人では5〜10%と多く、アジア人では0.1〜1%、ヨーロッパ・北米の人では0.1%未満と少ないとされます。6 この違いから、地域によって医師がふだん診る傷跡が異なり、診断の習慣も変わり得るという指摘があります。ある総説の著者は、国際学会で受けた印象だと断ったうえで、肥厚性瘢痕を多く診る地域では少し広がっただけでもケロイドと呼び、ケロイドを多く診る地域では急に大きくならなければ肥厚性瘢痕とみなす傾向があると書いています。6 以前ほかで言われた名前が違っていても、今の傷跡の境界と経過をあらためて確認するのがよいでしょう。
「ケロイド」が別のできものということはありますか?
まれですが、あります。肥厚性瘢痕やケロイドと考えられた378例を分析した報告では、1.06%が実際には別の病気でした。6 おおよそ100例に1例の割合です。JSWの合意文書は、ケロイドや肥厚性瘢痕と見た目が似た皮膚のできものを整理しています。良性(広がらない)のものとしては偽リンパ腫、皮膚混合腫瘍、黄色肉芽腫、平滑筋腫、皮膚線維腫があり、これらが疑われるときは治療の前に生検(組織を少し取って顕微鏡で調べる検査)を考えるようすすめています。1
悪性のものの中にも、隆起性皮膚線維肉腫、皮膚の有棘細胞がん、無色素性悪性黒色腫がケロイドや肥厚性瘢痕のように見えることがあります。しこりが急に大きくなるなど悪性が疑われるときは、生検が欠かせません。その前に超音波・CT・MRIで範囲を確かめておくと、生検で切り取るときの参考になります。1
そのため、次のような場合はケロイドの治療をすぐに始めるのではなく、まず診断を確かめます。
- はっきりした傷がないのにできたしこりが、短い期間で急に大きくなるとき
- 診察で典型的なケロイドや肥厚性瘢痕と違う点があり、別のできものが疑われるとき
見分けた結果で、治療の順番はどう変わりますか?
見分けることで治療が変わるのは、2つの傷跡の「これから」が違うからです。
肥厚性瘢痕には、時間とともに落ち着いていく性質があります。そのため、関節を引っぱって動きを妨げる場合でなければ、手術が必要になることは少ないと説明されています。圧迫、シリコーンシート、テープ、注射などの保存的治療(手術をしない治療)は、落ち着くまでの過程を早め、かゆみや痛みを和らげる役割をします。6 ひきつれが強ければ、それをゆるめる手術が先です。ひきつれが軽ければ、傷跡をすべて切除する方法と、手術をせずにいくつかの治療を組み合わせる方法のどちらかを選びます。6 肥厚性瘢痕は切除したあと、同じ場所に新たな肥厚性瘢痕ができることは少ないとされています。2
ケロイドは自然に小さくなることがまれで、切り取るだけだと再び育ちやすい傷跡です。2 総説によると、切除だけの場合の再発率は45%以上と報告されており、ケロイドを完全に切除するときは放射線治療などの補助療法を常にあわせて行うようすすめています。6 小さく1つだけのケロイドは、補助療法を加えた切除か、手術をしない複数の治療の組み合わせで扱います。大きいものや数が多いものでは、体積や数を減らす手術が選択肢になります。6
どの治療にも副作用と限界があります。傷跡の中に打つステロイド注射(炎症を抑える薬)は、注射のときに痛みがあり、月経不順のような全身の副作用が出ることがあります。注射した部分の皮膚が薄くなる、細い血管が広がって透けて見える、皮膚の色が薄くなるといった副作用もあり得ます。6 切除などの手術のあとには、出血・感染・炎症が起こることがあります。補助療法を加えても、再発がなくなるわけではありません。同じ総説が紹介するメタ解析(72件の研究をまとめて計算し直した研究)では、手術と放射線治療を組み合わせた場合の再発は22%でした。6 5例に1例ほどは再び育ち得るということです。
まとめると、肥厚性瘢痕は時間を味方につけて落ち着く過程を助ける治療が、ケロイドは育つ力を抑えて再発を長く管理する治療が中心になります。どちらの場合も、治療後は長く経過を見ることがすすめられています。6 注射・テープ・レーザー・切除など治療法ごとの根拠と限界はケロイド・やけど跡の治療ガイドに、手術の傷跡をいつから治療するとよいかは手術の傷跡の治療時期ガイドにまとめています。
どんな場合にできやすく、悪化・再発しやすいのですか?
ケロイドや肥厚性瘢痕が再び育ったり悪化したりするかどうかには、傷跡の場所の条件、体全体の状態、生まれつきの体質、生活習慣が一緒に関わります。6
- 張力:皮膚がよく引っぱられる場所ほど、どちらの傷跡も悪化しやすくなります。同じ動作をくり返す肉体労働の方やスポーツ選手の傷跡は治療が効きにくく、期間が長くなる傾向があります。1
- くり返す刺激と炎症:ピアスを頻繁につけ外しすると、ピアスの穴が長い期間くり返し傷つき、耳たぶのケロイドのリスクが大きく上がります。ピアスの穴のくり返す感染、ニキビ、毛包炎もリスクを高めます。3
- 体全体の状態:思春期や妊娠中はリスクが高まるようです。3 ケロイドのある304人を調べた研究では、血圧が高いほどケロイドが大きく、数も多くなっていました。3 血液中の炎症物質が増える状態も、傷跡を悪化させることがあります。1
- 体質:家族にケロイドのある方がいることがあり、肌の色が濃い人ではこうした傷跡が約15倍できやすいという報告があります。日本人を対象にしたゲノム研究では、ケロイドに関係する遺伝子の変異の場所も見つかっています。3
総説は、こうしたリスク要因のある方が手術を受けるときは、手術中も手術後も特に注意して管理するようすすめています。6また、ケロイドができたことのある方がほかの手術や美容施術、ピアスを予定しているなら、そのことを先に医師に伝えてください。傷跡の種類を見誤ると、美容手術の判断もずれてしまうことがあるからです。2
ボニータクリニックの考え方
ボニータクリニックでは、事故や施術の副作用、外科手術、帝王切開、プロテーゼやフィラーの除去のあとにできたケロイドと肥厚性瘢痕を診療しています。治療は施術として行い、必要に応じて切除します。局所麻酔で、当日お帰りいただけます。切除した場合は抜糸があります。ダウンタイムや通院の予定は、治療範囲と一人ひとりの状態によって異なります。傷が治りきる前でもカウンセリングを受けていただけます。
ソウルで相談できる治療
ボニータクリニックは1995年の開院以来同じ場所で診療を続けており、ブラジル形成外科専門医のチョン・グァンソプ代表院長が診療します。盛り上がった傷跡について、カウンセリングで検討するのは診療ページにある次の治療です。
- 赤く硬く盛り上がったケロイドへの注射治療(間隔をあけてくり返します)
- 張力を減らす縫合での切除と、その後の再発管理
- 残った赤み・色素・質感への複合レーザー
- ひきつれて硬くなったやけど跡には、ひきつれた組織をゆるめる処置と脂肪幹細胞治療
どれが合うか、どの順番にするかは、まず傷跡がケロイドと肥厚性瘢痕のどちらの性質に近いかで変わり、それは診察で確かめます。
計画と費用が傷跡ごとに違う理由
平らな赤い線、切開線に沿った厚い肥厚性瘢痕、肩に広がるケロイドでは、治療の内容がまったく違います。計画と費用を決めるのは名前だけではなく、傷跡の性質と治療の範囲です。
- ケロイドか肥厚性瘢痕か中間か
- 大きさ・数・部位
- 注射・切除・その組み合わせ
- 残った赤み・質感へのレーザー
- 回数と間隔
- これまでの治療と再発
対面診察の後に最終的な計画とお見積り
最終的なお見積りは、対面診察で傷跡の種類・方法・おおよその回数がはっきりしてからご案内します。写真は選択肢をしぼるのに役立ちますが、範囲は対面で決まります。
写真でわかること、対面診察が必要なこと
この問題では、写真はとても役に立つ最初の手がかりです。いちばん大切な「元の傷を越えて広がったか」は、以前の写真と今の写真を比べるとわかることが多いからです。ただし、硬さ・ひきつれ・症状は画面ではわかりません。
写真でわかること
- 位置・大きさ・色
- 元の傷を越えて広がったか(以前の写真と比べて)
- 形と傷跡の数
- 時間による変化(日付入りの写真)
対面診察が必要なこと
- 触ってわかる硬さと厚み
- ひきつれと関節の動き
- かゆみ・痛み・押したときの痛み
- 生検が必要なサイン
- まわりの皮膚とほかの傷跡
あると助かる写真:傷跡全体と近くから撮った写真を、フィルターなしで自然光のもとで(できれば大きさがわかるように定規や硬貨を横に)。元の傷や抜糸のころがわかる以前の写真、ここ数か月で変化しているなら日付入りの写真もあわせてどうぞ。写真と、元の傷の原因と時期、これまで受けた治療をメッセージで送っていただけます。
来院の計画と、帰国後の経過観察
事前に決まっているのは、上の診療情報(施術・必要に応じて切除、局所麻酔、当日帰宅、切除した場合は抜糸)までです。注射は間隔をあけてくり返し、切除をする場合は別に計画するため、ソウルに何回来ていただくか、どれくらい滞在するかは、傷跡の種類・大きさ・部位に合わせてカウンセリングで一緒に決めます。
どちらの傷跡も、治療後は長い経過観察が必要で、治療のための来院よりずっと先まで続くことがよくあります。6 お帰りになる前に、新しいかゆみ、縁の赤み、線を越えて育ち直す様子など、気をつけるサインを確認してください。同じ角度で日付入りの写真を撮り続けると、カウンセリング時の写真と比べられます。帰国後に治療した場所が痛み、赤く熱をもったり、分泌物が出たりしたときは、早めに現地の医療機関を受診してください。
症例写真
ボニータクリニックのやけど・ケロイド治療の診療ページに掲載している症例です。写真だけではケロイドか肥厚性瘢痕かはわからないため、見える様子だけを記しています。結果には個人差があります。

下腹部中央の縦の手術跡が、線に沿って赤く厚く盛り上がっていた例

おなか中央の縦の手術跡が太く凸凹に盛り上がっていた例(下に横の傷跡も)

おへその横の短い傷跡が赤く盛り上がっていた例

首の下から鎖骨にかけてのやけど跡に、赤く盛り上がった帯がいくつも枝分かれしていた例
※ 施術前後の写真は個人によって結果が異なります。副作用が生じる可能性があるため、医師と十分にご相談のうえご判断ください。
よくある質問
写真だけでケロイドかどうかわかりますか?
写真では位置・大きさ・色がわかり、以前の写真があれば元の傷より広がったかもある程度わかります。けれども、硬さ、ひきつれ、かゆみや痛み、別のできものの可能性は、直接診察しないと確かめられません。両方の性質をもつ中間型も多いため、1 写真は最初の判断の参考にし、診断は診察で決めます。
肥厚性瘢痕が、あとでケロイドに変わることはありますか?
2つを同じ病気の両端と考え、その間に中間型が続いているという見方があります。6 そのため、最初は傷の範囲にとどまっていた傷跡でも、時間がたって境界の外へ広がり始めたら、ケロイド寄りの性質をもつ傷跡と考えて計画を立て直します。傷跡が育っている間は、日付入りの写真で変化を残しておくと判断の助けになります。
ケロイドができたことがあります。ほかの手術やピアスをしてもよいですか?
一度ケロイドができたからといって、すべての手術を避けなければならないわけではありません。ただし、傷跡の種類を見誤ると美容手術の判断もずれることがあるため、2 ケロイドができた場所・時期・治療歴を先に伝えてください。ピアスでは、ピアスのつけ外しによるくり返す刺激と感染が、耳たぶのケロイドのリスクを高める要因とされています。3 胸・肩・上腕のようにケロイドができやすい場所の手術なら、切開の位置や術後のケアまで前もって相談しておくとよいでしょう。
かゆくて痛いのは、ケロイドだからですか?
どちらの傷跡もかゆみはよくあります。ケロイドではさらに、かなり強い痛みや過敏な感覚が出ることもあります。2 育っているケロイドでは、正常な皮膚と接する縁に強い炎症が見られることがわかっています。1 かゆみや痛みが強くなりながら縁が赤く広がってくるなら、育っている途中かもしれないので、診察を受けてみてください。
ケロイドは遺伝しますか?
家族にもケロイドがある方がいることから、遺伝的な要因が関わると考えられています。日本人のゲノム研究ではケロイドに関係する遺伝子の変異の場所が見つかっていますが、原因となる遺伝子についてはまだわかっていないことが多くあります。3 家族歴があるなら、けがの治療や手術の前に伝えておくと、傷跡ができやすい体質を考えに入れたケアの計画が立てられます。
カウンセリングの前に準備しておくとよいこと
- 傷跡の原因(手術・けが・やけど・ニキビ・ピアスなど)と時期
- 元の傷の大きさがわかる写真(けがの直後や抜糸のころ)と今の写真
- 傷跡が盛り上がり始めた時期と、今も大きくなっているか
- かゆみ・痛みがあるか、いつ強くなるか
- これまでの治療:注射の回数と最後の時期、テープ・シリコーン、レーザー、切除、放射線治療
- 家族のケロイド、高血圧、妊娠の予定
ボニータクリニックは、ソウル特別市瑞草区江南大路565 3階にあり、論峴(ノニョン)駅(7号線)8番出口から徒歩約100mです。詳しくはやけど・ケロイド治療のページをご覧ください。落ち着いたやけど跡についてはやけど跡とやけど跡のガイド、顔の美容手術のあとに残った傷跡については顔の手術跡のページをご覧ください。
参考資料 (6)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Ogawa R, Akita S, Akaishi S, et al. Diagnosis and Treatment of Keloids and Hypertrophic Scars-Japan Scar Workshop Consensus Document 2018. Burns Trauma. 2019;7:39.doi:10.1186/s41038-019-0175-y瘢痕・ケロイド治療研究会(JSW)の合意文書:肥厚性瘢痕は傷の範囲にとどまり、ケロイドは境界を越えて横に育つ。中間型が多い。JSS 2015の点数(5点以下は成熟瘢痕、6〜15点は肥厚性瘢痕の性質、16点以上はケロイドの性質)。見分ける目印はない。ケロイド性コラーゲンと結節に明確な基準値はない。育つ縁の炎症。超音波・エラストグラフィの限界。似た良性・悪性腫瘍と生検。張力・妊娠・高血圧・肉体労働者やスポーツ選手
- Gauglitz GG, Korting HC, Pavicic T, et al. Hypertrophic Scarring and Keloids: Pathomechanisms and Current and Emerging Treatment Strategies. Mol Med. 2011;17(1-2):113-125.doi:10.2119/molmed.2009.00153総説:肥厚性瘢痕は4〜8週以内に現れて最大6か月育ち、数年かけて落ち着く。ケロイドは小さな傷の数年後や前胸部に自然に現れ、退縮しない。見た目と痛み。できやすい部位。ケロイドは切除後に再発し、肥厚性瘢痕が新たにできることはまれ。見誤りは不適切な治療と美容手術の判断につながる
- Ogawa R. Keloid and Hypertrophic Scars Are the Result of Chronic Inflammation in the Reticular Dermis. Int J Mol Sci. 2017;18(3):606.doi:10.3390/ijms18030606総説:真皮網状層まで届く傷(手術・ピアス・ニキビなど)からできる。やけどが治るまでの日数と肥厚性瘢痕のリスク(10日未満で4%、21日以上で70%以上)。部位ごとのケロイドの形と張力の方向。できにくい部位。ピアスや感染などの局所要因。思春期・妊娠・高血圧(304人)。家族歴・肌の色・遺伝子の変異。両者は一続きのものという見方
- Limandjaja GC, Niessen FB, Scheper RJ, Gibbs S. Hypertrophic scars and keloids: Overview of the evidence and practical guide for differentiating between these abnormal scars. Exp Dermatol. 2021;30(1):146-161.doi:10.1111/exd.14121同じ研究の中で両者を比べた論文の総説:横に広がる成長がケロイド診断の中心。始まり(数週間か数か月か)・育つ期間・自然退縮・拘縮との関係の違い。組織の違いの多くは程度の差だが、別のものとして扱うのが適切という結論
- Lee JY, Yang CC, Chao SC, Wong TW. Histopathological differential diagnosis of keloid and hypertrophic scar. Am J Dermatopathol. 2004;26(5):379-384.doi:10.1097/00000372-200410000-00006ケロイド40例と肥厚性瘢痕10例の組織比較(抄録):ケロイド性コラーゲンはケロイドの55%にしか見られず、α平滑筋アクチンは肥厚性瘢痕の70%、ケロイドの45%に見られ、見分ける目印にならなかった。ただしケロイド性コラーゲンの診断的価値は確認され、それがない場合も舌状に進む縁などの所見はケロイド寄りを示す
- Ogawa R. The Most Current Algorithms for the Treatment and Prevention of Hypertrophic Scars and Keloids: A 2020 Update of the Algorithms Published 10 Years Ago. Plast Reconstr Surg. 2022;149(1):79e-94e.doi:10.1097/PRS.0000000000008667治療・予防アルゴリズムの総説:肥厚性瘢痕は数週間後に現れ3〜6か月育って退縮する。拘縮がなければ手術はまれ。ケロイドは切除だけでは45%以上が再発するため補助療法を併用する。小さく単発か、大きく多発かによる選択。一続きという見方。人種による頻度(アジア人0.1〜1%、ヨーロッパ・北米0.1%未満)と地域による診断の傾向。長期の経過観察。ステロイド注射の短所(注射時の痛み、月経不順、皮膚の菲薄化、毛細血管拡張、色が薄くなる)。肥厚性瘢痕・ケロイドと考えられた378例の1.06%は別の病気。72件のメタ解析で手術+放射線の再発22%。リスク要因があれば手術中・手術後に特に注意
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この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


