ソウルで傷跡治療とリフトアップを考える方へ:一緒にできるのか、どちらを先にするのか
一緒に計画することはできますが、順番はたいてい傷跡が先です。傷跡の皮膚が下の組織にくっついていたり(癒着)、へこみが残っていたりすると、その場所は周りの皮膚と一緒に動きません。そのまま引き上げたり補ったりすると、傷跡だけが取り残されて目立つことがあります。ボニータクリニックでは、まず傷跡を整えて皮膚が動けるようにし、そのうえで脂肪移植・溶ける糸・レーザーなどのリフトアップを加えます。同じ日に続けるか、落ち着いてから分けるかは、傷跡と肌の状態を見て決めます。完全な左右対称は約束できないため、安静時と笑顔を比べながら差を小さくしていきます。ソウルでの治療を検討中の方は、まず安静時と笑顔の写真をお送りください。

傷跡はどのように顔のバランスを崩すのですか?
顔の傷跡は、色や線だけの問題ではありません。ニキビ、事故、手術、異物の除去などで残った傷跡は、顔の高さや動き方まで変えてしまいます。そのため、片方のほおだけがこけて見えたり、笑ったときに片側だけ不自然に見えたりします。下の図は、このガイドで扱う場所を一つの顔にまとめて示したものです。
傷跡が顔のバランスを変えるしくみは、大きく三つあります。
1. へこんだ傷跡:皮膚が下に引き止められている
へこんだ傷跡では、皮膚がその下の組織とくっついていることがよくあります。これを「癒着」といいます。丈夫な線維の帯が、皮膚を下へ引っぱっている様子を思い浮かべてください。
この帯を細い針で切り離す方法を、サブシジョン(癒着剥離)といいます。この方法を最初にまとめた論文は、帯がはずれるとへこみが持ち上がり、傷が治る間にできる結合組織(傷を埋める丈夫な組織)がそこを支えると説明しています。1 裏を返せば、癒着が残っている場所は、周りの皮膚を引き上げたり補ったりしてもついてきにくいということです。
2. 広がったり引きつれたりする傷跡
傷跡が両側から引っぱられる力(張力)を受け続けると、赤く腫れる炎症の時期が長引きます。すると、傷跡の幅が広がったり厚くなったりしやすくなります。また、長い一直線の傷跡より、ジグザグに短く分けた傷跡のほうが早く成熟する(赤みが引いてやわらかくなり、落ち着く)とされています。4 ほおのように平らな場所と、額やほうれい線のまわりのようにしわの線がある場所とで、傷跡の整え方の向きが違うのはこのためです。4
3. 傷跡の下の体積が減っている場合
組織が失われた場所はへこんで影になり、片方のほおだけがこけて左右差が目立ちます。こうした場所には、自分の体の脂肪を移して補う方法(自家脂肪移植)が使われます。傷跡の組織に脂肪を移した26本の研究(905人)を集めた系統的レビュー(多くの研究を決まった方法で集めて見直した研究)では、傷跡の見た目や皮膚の状態、痛みが改善し、体積や立体的な輪郭もよくなったと報告されています。2
笑うと傷跡が目立ちやすい理由
傷跡が表情をつくったときに目立ちやすいのも、癒着のためです。笑ったり話したりすると周りの皮膚は動くのに、癒着した場所だけが引き止められ、じっとしているときより差が大きく見えます。ボニータクリニックが経過を「じっとしているとき」と「表情をつくったとき」で並べて比べるのは、そのためです。
なぜ傷跡を先に整えるのですか?
ボニータクリニックの原則は「傷跡の処置が先、マルチリフティングはその後」です。マルチリフティングとは、脂肪移植・溶ける糸・レーザー・脂肪吸引のなかから、その方に必要な方法を組み合わせて、たるみやこけを整えるやり方です。
順番が大切な理由はシンプルです。布の一か所を画びょうで留めたまま引っぱると、ほかの部分は伸びても、そこだけがへこんだまま残ります。顔も同じように、癒着を残したまま皮膚を引き上げると、傷跡の部分だけが引き止められ、かえって目立つことがあります。そのため、まず癒着をはがして皮膚が動けるようにし、へこみは補い、幅の広い傷跡は細く整えてから、リフトアップを加えると自然にかかると考えています。
傷跡そのものへの処置も一つではありません。
- 手術で傷跡を整え直す方法は、適切な時期に、傷跡の状態と場所に合わせて選べば、成熟した傷跡を改善できます。4
- レーザーは、26人の皮膚科・形成外科の専門家による国際的な合意(複数の国の専門家が根拠をもとに意見をまとめた提言)で、外傷性の傷跡やひきつれた傷跡(縮んで引っぱる傷跡)に、まず考える第一選択の治療とされました。3
- 傷跡の下がへこんでいれば、脂肪移植で体積と輪郭を補えます。ただし、その根拠となった研究の質はまだ高くないという限界もあわせて指摘されています。2
傷跡のタイプ別に、まず行うこと
1へこんで引きつれた傷跡なら
細い針で皮膚の下の帯を切り、皮膚が動けるようにします
癒着剥離
2幅の広がった傷跡なら
その場所に合った向きで、傷跡を細く整え直します
傷跡の修正
3表面がでこぼこで跡が残っているなら
肌の状態に合わせ、2〜3種類のレーザーできめと色を整えます
複合レーザー
4傷跡の下がこけているなら
体積が減った場所に自分の脂肪を移して補います
脂肪移植
傷跡を整えた後、たるみやこけはどう治療しますか?
傷跡の場所が動けるようになったら、次は顔全体のバランスです。悩みによって加える方法が違い、方法ごとに根拠の確かさも違います。
溶ける糸:長持ちする引き上げより「補う」役割
糸リフトは、根拠を特に慎重に見る必要があります。とげのある糸(バーブ糸)でたるんだ組織を引っかけて引き上げる施術を扱った系統的レビューによると、この10年ほどで効果と安全性を支える根拠はほとんど加わっておらず、含まれた研究の多くで引き上げ効果は長く続きませんでした。効果が長かったとする二つの研究は、糸のメーカーが支援したものでした。5
ボニータクリニックでは溶ける糸を網目のように細かく入れる方法を使っており、これらの研究と同じではありません。それでも、糸だけで長持ちする引き上げを期待するより、小じわやハリを補う補助的な手段と考えるほうが現実的です。
脂肪移植:一部は吸収されます
脂肪移植は、傷跡の下のへこみや左右の体積差を補うために使われ、傷跡そのものが改善したという報告も多くあります。2 ただし移した脂肪は一部が体に吸収され、定着した部分が残ります。そのため当院では、残る量を見込んで注入量を決め、必要に応じて補います。
たるみが深いなら:フェイスリフトと比べる
当院では、たるみが深い場合や首のしわがはっきりしている場合は、切らない方法よりフェイスリフトのほうが合うことが多いと考えています。逆に、フェイスリフトまでは負担が大きい、回復の負担が少ない方法を探しているという方には、傷跡の処置の後のマルチリフティングが選択肢になりえます。
どちらにしても、顔はもともと左右が少しずつ違います。目標は完全な対称ではなく、傷跡とたるみで大きくなった差を小さくすることです。
同じ日に行いますか、分けて行いますか?
ボニータクリニックでは、傷跡の処置とリフトアップを同じ日に続けて行うこともあれば、修復した部分が落ち着いてから段階的に進めることもあります。順番は相談のときに傷跡と肌の状態を見て決めます。判断材料はおおよそ次のとおりです。
- 傷跡がまだ赤く硬く変化している途中か、成熟しているか。手術で傷跡を整え直す方法は、主に成熟した傷跡を対象に説明されています4
- ケロイド(傷の範囲を越えて赤く厚く盛り上がる傷跡)や厚い傷跡ができやすい体質か。こうした傷跡は手術後に補助的な治療を併用しないと再発のリスクが高いとされます4
- ニキビのように炎症が続いているか。炎症がある場所はまず落ち着かせてから処置します
- 脂肪を採る部位と量、大切な予定がいつか
これらを確かめたうえで、傷跡がまだ変化している途中や炎症があるときはまず落ち着かせ、すでに落ち着いた傷跡なら、リフトアップまで同じ日に続けられるかを見ます。
傷跡の処置からバランスの確認まで
- 傷跡の処置癒着剥離・補う・細く整える
- 直後腫れと内出血のケア、圧迫のご案内
- 回復のあいだ腫れが引き左右の輪郭が見えてくる
- 落ち着く時期脂肪とリフトが定着してから確認
- 必要なとき安静時と笑顔を比べて微調整
当院では、傷跡除去後のマルチリフティングを切らない施術(非外科的施術)に分類しています。静脈麻酔と局所麻酔を併用し、日帰り(当日帰宅)で、脂肪移植を行った場合のみ抜糸があります。これらは個人によって異なることがあります。
ボニータクリニックの考え方
ソウルで相談できる治療の選択肢
ボニータクリニックは1995年の開院以来同じ場所にあり、形成・傷跡復元に31年携わってきたブラジルの形成外科専門医、チョン・グァンソプ代表院長が一人ひとりを直接診ています。傷跡にたるみや体積の減少が重なっている場合、相談でご案内するのは次の方法です。
- 傷跡の処置:癒着剥離、へこみを補う、幅の広い傷跡を細く整える
- フェイスライン下の脂肪に対する切開しない脂肪吸引
- 左右の体積差を小さくするための脂肪移植
- 小じわとハリのための溶ける糸
- きめと跡を整える複合レーザー(2〜3種類)
- 安静時と表情をつくったときのバランス確認、必要なら微調整
すべての段階が必要なわけではありません。どれが合い、どの順番で行うかは診察の後に決まります。
方法と費用が人によって変わるのはなぜですか?
同じ「ニキビ跡とたるみ」でも、必要な組み合わせは大きく違います。計画と費用を左右するのは、必要な段階の数と、それを何回に分けるかです。
- 傷跡の数・種類・深さ
- 癒着剥離や傷跡の修正が必要か
- 脂肪移植の部位と量
- 糸・レーザー・あご下の脂肪吸引のどれを行うか
- 一度に行うか、何回かに分けるか
- 先に整えるべきケロイド傾向やニキビ
対面診察の後に最終的な計画と費用をご案内
最終的なお見積もりは、対面での診察で傷跡の処置、リフトアップの段階、その順番がはっきりしてからご案内します。
写真でわかること、対面診察が必要なことは?
写真は、傷跡の場所や動いたときの見え方を伝えるのに役立ちます。皮膚の下で傷跡がどうなっているかは、実際に触れて診る必要があります。
写真でわかること
- 傷跡の場所・色・幅
- 明るい光でのへこみや影
- 安静時と笑顔の左右差
- 横から見たあごとほおの輪郭
対面診察が必要なこと
- 傷跡がどれだけ強く癒着しているか
- 傷跡が成熟しているか、まだ活動中か
- 皮膚の厚みとたるみ
- ケロイドや厚い傷跡の傾向
- 移植に使える脂肪の量
役に立つのは、正面・左右45度・真横から、化粧をせず均一な明るさで撮った写真と、同じ角度で笑ったとき・話しているときの写真です。傷跡ができる前やたるみが出る前の写真があれば、現実的な目標を決める助けになります。写真と、傷跡の原因やできた時期の簡単なメモをメッセージでお送りいただけます。
滞在と回復の計画
確定しているのは、上の施術情報にある静脈麻酔と局所麻酔、当日帰宅、脂肪移植を行った場合のみ抜糸という点です。一度で行うか段階に分けるか、ソウルに何日滞在するか、再来院の回数は相談のときに一緒に決めますので、大切な予定があればお知らせください。
施術直後の腫れと内出血は、当院では圧迫でケアします。腫れが引くにつれて左右の輪郭がはっきりしてきます。移した脂肪とリフトアップが定着してからバランスを確認し、必要なときだけ微調整します。
帰国後、施術部位や脂肪を採った部位の赤み・熱感・痛み・分泌物が強くなる場合は医療機関に連絡してください。安静時と笑顔の写真を同じ角度で日付を入れて撮り続けると、再診のときに経過を正しく比べられます。
実際の治療例
ボニータクリニックの「傷跡除去後のマルチリフティング」ページに掲載している症例です。結果には個人差があります。

ほおにへこんだ傷跡が多く、口元のしわが深かったケース

ほおの横の皮膚がでこぼこにへこんでいたケース(横顔)
※ 施術前後の写真は個人によって結果が異なります。副作用が生じる可能性があるため、医師と十分にご相談のうえご判断ください。
よくある質問
傷跡の治療を受けたばかりですが、リフトアップを一緒に受けられますか?
多くの場合は可能ですが、傷跡の状態によります。傷跡がまだ赤く硬く変化している途中なら、修復した部分が落ち着いてから続けるほうがよいでしょう。状態が許せば一度に行うこともあります。順番は相談で一緒に決めます。
ニキビ跡が多いのですが、脂肪移植だけでよくなりますか?
脂肪移植は傷跡の下で失われた体積を補い、傷跡の状態をよくしたという報告があります。ただし研究の質はまだ高くありません。2 また、皮膚を引き込む癒着があればまずそれをはがし、表面のきめはレーザーで整える必要があります。そのため、ふつうはいくつかの方法を組み合わせます。13
溶ける糸のリフトアップはどのくらいもちますか?
肌の状態や一緒に受けた施術によって違います。研究をまとめると、糸による引き上げ効果は長く続かないという結果が多くあります。5 そのため、長持ちする引き上げというより、小じわとハリを補う役割として計画します。
ケロイドができやすい体質ですが、大丈夫でしょうか?
相談のときに必ずお伝えください。ケロイドや厚い傷跡は、手術で整えた後に補助的な治療を併用しないと再発のリスクが高いとされています。4 切開や針を入れる範囲、その後のケアをそれに合わせて計画します。
傷跡とたるみがよくなれば、左右対称になりますか?
完全な対称にはなりません。顔はもともと左右が少しずつ違い、傷跡があった場所が周りとまったく同じになることもまれです。目標は傷跡とたるみで大きくなった差を小さくすることです。落ち着いた後に安静時と表情をつくったときを比べ、必要な分だけ調整します。
相談前に準備しておくとよいこと
- それぞれの傷跡の原因とできた時期(ニキビ、事故、手術、異物の除去など)
- これまでの傷跡の治療(レーザー、注射、切除)と、リフトアップ・脂肪移植の種類と時期
- 傷跡が赤く盛り上がったり厚くなったりしたこと、ケロイドができたことがあるか
- 普段飲んでいる薬と、近く予定している大切な行事
ボニータクリニックはソウル市瑞草区江南大路565 3階、地下鉄7号線・論峴駅8番出口から歩いて約100mです。治療の流れは傷跡除去後のマルチリフティングでご覧いただけます。フィラーや異物を取り出した後のたるみは異物除去後のマルチリフティングと異物除去後のリフトアップガイド、傷跡のないたるみはマルチリフティングとフェイスリフト、顔のへこんだ傷跡や切開の傷跡そのものの治療は顔の陥凹・切開傷跡にまとめています。
参考資料 (5)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Orentreich DS, Orentreich N. Subcutaneous incisionless (subcision) surgery for the correction of depressed scars and wrinkles. Dermatol Surg. 1995;21(6):543-549.doi:10.1111/j.1524-4725.1995.tb00259.xサブシジョンを最初にまとめた論文(抄録):細い針で傷跡の下を切り離すと、解放の作用と治癒で生じる結合組織によってへこみが持ち上がる
- Negenborn VL, Groen JW, Smit JM, et al. The Use of Autologous Fat Grafting for Treatment of Scar Tissue and Scar-Related Conditions: A Systematic Review. Plast Reconstr Surg. 2016;137(1):31e-43e.doi:10.1097/PRS.000000000000185026研究・905人の系統的レビュー(抄録):脂肪移植で傷跡の見た目・肌の状態・痛み・体積と輪郭が改善したが、根拠の水準は低い
- Seago M, Shumaker PR, Spring LK, et al. Laser Treatment of Traumatic Scars and Contractures: 2020 International Consensus Recommendations. Lasers Surg Med. 2020;52(2):96-116.doi:10.1002/lsm.2320126人の専門家による国際的なデルファイ合意(抄録):レーザーは外傷性の傷跡とひきつれの第一選択の治療
- Ogawa R. Surgery for scar revision and reduction: from primary closure to flap surgery. Burns Trauma. 2019;7:7.doi:10.1186/s41038-019-0144-5傷跡の手術のレビュー:適切な時期なら成熟した傷跡を改善、張力が炎症期を長引かせる、分けた傷跡は早く成熟、平らなほおとしわのある部位の違い、ケロイドは補助治療がないと再発しやすい
- Gülbitti HA, Colebunders B, Pirayesh A, et al. Thread-Lift Sutures: Still in the Lift? A Systematic Review of the Literature. Plast Reconstr Surg. 2018;141(3):341e-347e.doi:10.1097/PRS.0000000000004101バーブ糸のリフトアップの系統的レビュー(抄録):効果と安全性の新しい根拠はほとんどなく、多くの研究で持続はごく限られ、肯定的な研究はメーカーの支援;網目状に入れる溶ける糸とは方法が異なる
この記事について
この記事では、一般的な医学情報とボニータクリニックの診療方針を分けてご説明しています。判断は一人ひとりの状態によって変わるため、診察の代わりにはなりません。


